2016年11月19日 (土)

きょう「順天堂大学誘致の現状と真相」がポストに

「順天堂大学誘致の現状と真相」と題する『わがまち』臨時号(山万KK企画部編集・発行)がポスティングされていた。いつものタブロイド判の裏表の2頁だった。 いつもと違うのは、臨時号、いわば号外なのだろうけど、日付がない。発行・編集がいつもの「わがまち編集委員会」ではなく、「山万株式会社 企画部」となっていた。

『わがまち』は「地域の有志の方々と山万が協同で制作しているタウン情報誌」という触れ込みながら、まぎれもなく山万の広報誌なのだから、今回はそれがはっきりしたわけだ。日付がないのはどうしてかな。まだウェブ上には登場していなかった。

内容は、一面が、新聞報道を受けて、問い合わせが多く、不正確な報道でもあるので、「現状に至った経緯」を市民・住民に伝え、正確な理解を頂く、という趣旨で、「『こうほう佐倉』では語られていない真実」「断腸の思いでの取り下げ」の見出しで記されていた。裏面は「順天堂誘致に向けたこれまでの経緯(概要)平成17年10月~平成28年10月」と題して年表風な説明となっていた。しかし、その書きぶりは、昨年の市長選での「怪文書」めいて、その内容以前に、不快感が漂う。

最後は「順天堂大進出が白紙」という『千葉日報』の記事があったが、区画整理組合・山万・順天堂大学は、「白紙」との認識は持っていない、ユーカリが丘における順天堂キャンパス誘致の実現に向けた重要性の認識と熱意は変わっていない旨の文章で結ばれていた。

私は、地権者でもない、直近の住民でもないけれど、これまでの山万の井野東の開発手法を見てきただけに、不安だった。地元への説明会に参加したり、議事録を読んだりした。市議会や「大学等誘致に関する懇話会」の傍聴もした。説明会の資料がなかったり、後手になったり、かなりの情報操作をしているのも分かった。今回の経緯の中からすっぽり落ちている、市長選での誘致推進だけを争点とするような候補者陣営の露骨な選挙運動は、目を覆いたくなるほどだった。

「あきらめていない」というのだが、私たち住民にとっては、ユーカリが丘駅北のイオン撤退の跡がどうなるのかの方が、先決なのではないか、の思いも強い。肝心の駅周辺の既存の商業施設と駅から離れた、新しいイオンタウンの行方も心配だ。

| | コメント (0)

2016年11月18日 (金)

ユーカリが丘への順大誘致、白紙へ

 16日の夜遅く、知人からのメールで、1024日付で、順大誘致のための「都市画案の取り下げ」、区画整理組合設立のための「事前協議の取り下げ」がなされた、との一報が入っていた。京成ユーカリが丘駅北への順大誘致は、一帯の開発業者である山万が、かねてより強引に進めてきた計画だった。この数年間、周辺の地権者を巻き込み、自治会や市議会議員を巻き込み必死であった。昨年の佐倉市長選では、ほぼ順大誘致だけを公約に掲げた候補者を立て、実に醜い選挙戦を展開したが、敗退した。

 佐倉市ユーカリが丘駅北土地区画整理組合準備会(代表田中一雄)は、佐倉市が誠意ある対応をしないので、信頼関係を失ったとして、今年の14日付「土地区画整理組合の設立認可申請に係る事前協議」、24日付「都市計画提案書」を取り下げたことになる。山万は、土地を無償提供し、佐倉市からは負担金を出させるからと順天堂大学に進出を持ち掛けたのが事の始まりだろう。佐倉市は、負担金を出す以上は計画や費用の詳細を求めたが提出されないことを以って、進めなかったいきさつもある。少子社会で、大学キャンパスの都心回帰が強まる中、順大も踏み切れなかったのだろう。最大の地権者、山万の、そうした読みの浅さが、今回の結果を引き起こしたのだろう。それにしても、振り回された地権者、周辺住民、行政の経済的負担は計り知れない。あわせて市長や行政の優柔不断な姿勢も否定できなかったのではないか。 

 なお、「取り下げ書」の文書は、以下の藤崎良治市議会議員のホームページで見ることができる。

藤崎良治のHP

http://www.asahi-net.or.jp/~pn8r-fjsk/contentFrame.htm16/11/16) 

ユーカリが丘北 都市計画提案取り下げ書

  また、11月17日の朝刊では、若干のニュアンスの違いはあるが、つぎのような見出しだった。ネット上での掲載時間が一番早いのが『千葉日報』だったと思う。

千葉日報11/16 0500

順天堂大進出が白紙 佐倉市、誘致不透明に 地権者ら申請取り下げ

東京新聞11/17 0800

佐倉市の順大誘致が白紙に 地権者ら申請取り下げ

読売新聞11/17 1025

地権者と市の信頼崩れ、大学誘致が暗礁に

朝日新聞1117

佐倉にキャンパス 順大の計画中断 地権者ら都市計画案など取り下げ

 佐倉市のホームページでの昨年までの関連記事は、以下にまとめられている。

http://www.city.sakura.lg.jp/0000011401.html

 さらに、これまでの経過については、本ブログでも何回か記事にしているので、関心ある方は、あわせて以下をお読みいただければと思う。

(新着順)

順天堂大学「誘致ありき」のユーカリが丘駅前再開発はどうなる!説明会に参加 ~「誘致」が決まらないのに、強引に進める不可解 15/09/29

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/09/post-5850.html

佐倉市の市長選での順天堂大学誘致問題とはなんだったのか~また新しい情報に接して(15/06/05

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/06/post-ab09.html

・佐倉市長選挙、違反ポスター・虚偽ネット広告は放置のままだ~候補者も、スポンサーもここまで堕ちた(15/04/27

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/04/post-224d.html

・市長・市議選の争点は「大学誘致」ばかりではない~やっぱり出た”怪”文書「順天堂大学誘致の会ニュースレター」(15/04/18

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/04/post-7056.html

・佐倉市、順天堂大学誘致をめぐる「選挙戦」 ~誘致の効果は机上の空論、得をするのは誰なのだろう(15/04/14

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/04/post-5c84.html

・ユーカリが丘、順天堂大学キャンパス誘致、見送り?(15/02/09

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/02/post-fea7.html

・ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(20141010日)傍聴から振り返る(2)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/320141010-ebd5.html

・ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(20141010日)傍聴から振り返る(1)

14/10/14

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/post-7e2b.html

| | コメント (0)

2015年9月29日 (火)

順天堂大学「誘致ありき」のユーカリが丘駅前再開発はどうなる!説明会に参加 ~「誘致」が決まらないのに、強引に進める不可解

 9月27日(土)18時~志津コミュニティセンターで、山万(ユーカリが丘駅北土地区画整理組合準備会)による住民説明会が開かれるという。4月の、あの思い出すのも気色が悪くなる市長選挙の争点となった「順天堂大学誘致」を含む「ユーカリが丘駅北土地区画整理事業」開発についての説明会なのだ。東の空の大いなる満月がユーカリが丘の街を照らす夜だというのに。 4月の市長選挙で、突然、「順天堂大学誘致」のみで勝負するかような形で仕掛けた開発業者山万がN氏を立候補させた。その後の尋常ならざる醜い選挙運動が展開されたことは記憶に新しい。「佐倉にゆかりのある順天堂大学を誘致すれば、この街が活性化する」という“バラ色の幻想”を振りまくだけでなく、違法な選挙運動と対立候補のネガティブ・キャンペーンによって、佐倉市やユーカリが丘の人々を巻き込んで、街のイメージを貶めてしまった。  

   その後、順天堂大学誘致問題はどうなったのか。あれから5カ月。市長は、市民の要望書や市議会での質問に答えて、いずれ経過報告は広報紙に公表するとしていたが、「こうほう佐倉」7月15日号と8月1日号において「透明性の高い公正で開かれた市政へ~『順天堂大学誘致』について~」(その1)(その2)として公表した。これまでの報道や市議会での質疑のなかで明らかになってきた以上の事実は出て来ず、佐倉市と順天堂は順天堂が佐倉市への進出の意向を継続していることを確認したというのが現状である。

    その後の報道によれば、市長は、8月20日の記者会見で、順天堂から、ユーカリが丘駅前にこだわらず広く候補地を探したい旨の意向が示されたという(毎日新聞8月21日)。 これまで、私が気付かなかった事実だったのかもしれないが、「こうほう佐倉」の「主な協議経過」のなかで、2012年12月~2013年10月に、佐倉市に運動部寮建設や国際学部設置に向けて協議・調整が行われるが、立地等の理由により、順天堂が一度は完全に「断念」していることだった。そして同時に浮上するのが2013年11月28日、順天堂側は、駅前の3000坪の土地を山万から無償貸与が受けられ、市からの助成金24億円を条件に進出を表明しているので、山万からの熱烈な誘致がなされたのだろう。しかし、それよりも数か月前の2013年7月6日の周辺住民への説明会では、もっぱら大学進出を核とする再開発計画を表明しているのだ。 その辺の山万・順天堂の動向が釈然としない。 佐倉市も、市民への説明会を開くなり、積極的に情報を公開して、いくことが重要なのではないか。

  住民説明会は、市長選挙の直近の前後、3月29日、4月30日にも開催され、今回は4回目に当たるというが、相変わらず住民への周知は回覧だけという徹底していないままの開催だったらしい。したがって、住民の参加者が極端に少ない。25人前後だろうか。その内、市議が3人、駅からは離れたところに住んではいる私だが、駅前の開発には無関心ではいられない、というより政争の具になっている「開発」からは目が離せず、同じ町内の友人と参加した。パワーポイントで、さまざまな図面が示されるが、手元にないので分かりにくい。一通りの説明が終わった後の質疑で、当初は、現在のユーカリが丘3丁目の生活道路6mが3mの歩道つきで拡幅整備されることによる、住民の方々の不安に集中していた。交通量が激増し、また用途変更により第1種低層住居専用地域(容積率100%建蔽率50%)が突然近隣商業地域(200%/80%)(300%/80%)に変更して高層マンションと隣り合わせになるとしたら、そして、1・2階が商業施設となり、駐車場の車の出入りも半端ではなくなるとしたら、その危険と精神的ダメージが予想される。そうした危惧は、計算上「ないと思う」、「ないと考えられる」との答弁しか得られないのだ。それに、当然のことながら、景観、日影、ビル風、電波障害などの影響調査も延々と説明されたのだが、スクリーンの数字が見づらく、ホールの音響効果も悪くききとれない。参加者への配慮が皆無であった。ともかく、とりあえず、きょうの参加者への資料送付をようやく約束したのだが。こんな実のない説明会は、住民理解への“努力”をしているという行政向けへのパフォーマンスではないのか。 参加者のなかにはもちろん大学誘致、開発賛成の人たちもいて、「問題になっている生活道路はユーカリが丘3丁目の住民だけのものではないはずだ、整備され、便利になれば・・・」とか、「みなさん、なぜ反対ばかりするのですか。山万さんと一緒に、いい街にしようではないか」という自治会長まで現れた。こういう人はどこの町内にもいるのだが、それでも、なんとか同じ住民として、少しでも住みやすい街にするためには、究極は営利目的の業者とは対峙しなければならないことを一緒に学んでいかなければならないだろう。。

  今回の開発計画は、すべて「順天堂大学誘致ありき」からのスタートなのだ。誰もが思う、「誘致が失敗に終わったらどうするのか」。山万のH専務取締は「私どもは、そんなことがないように、前向きに進めています」「十年、二十年先のことを考えて、みなさんによかったと思ってもらうまちづくりを考えています」という。しかし、ユーカリ、宮ノ台からの商店の撤退、中型の商業施設さえ売り場をもてあまし、これにイオンタウンができたら、駅前のイオンはどうなるのかしら。宮ノ台のマックスバリュには買いたい商品がめっきり少なくなってしまった。買い物一つとってもこんな具合なのだ。

| | コメント (0)

2015年9月15日 (火)

<池袋学>夏季講座に参加しました~生活者の視点が欲しかった―池袋のヤミ市への熱い視線は、“男のロマン”にも似て―

 池袋第五小学校同窓の伊藤一雄さん(『池袋の西口、戦後の匂い』の著者、当ブログの7月22日記事参照)からのメールで知った、下記「池袋学」のシンポジウムに出かけた。2日ぼど前に、立教大学の係からは、参加申込が多く会場を変えたという電話まで頂戴した。912日には、国会周辺で「止めよう!辺野古埋め立て」の集会もあり、迷いながらこちらに参加したというわけだ。数日前に熱を出して体調が万全ではないこともあった。この日のキャンパスは、長雨の後だけに、芝生や蔦の緑が鮮やかで、レンガの校舎に映えていて、見学に来ていた女子高生が感嘆の声を上げていた。

 

*******************

戦後池袋の検証~ヤミ市から自由文化都市へ

2015912日(土)14:0016:00

池袋キャンパス 11号館地下1 AB01教室

川本 三郎 氏(評論家)

吉見 俊哉 氏(東京大学教授)

マイク・モラスキー氏(早稲田大学教授)

石川 巧(立教大学文学部教授)

主催:東京芸術劇場、立教大学

後援:豊島区

協力:NPOゼファー池袋まちづくり、立教大学ESD研究所

※戦後70年「池袋=自由文化都市プロジェクト」と共同企画

*********************

Gedc4615

 

 300席の会場はほぼ満席、若い人が多い集まりに出るのは久しぶりだった。これまで川本、吉見両氏の本や発言には、若干接しているつもりだが、モラスキー、石川両氏は初めて聞く名前だった。実行委員長の挨拶が終わると、吉見氏の「池袋・東京・戦後~貫戦期の狭間としての闇(ヤミ)市」と題しての報告が始まった。

吉見氏から、池袋のどんな話が聞けるかな、と思っていたが、その中心は、ご自身が、2020年の東京オリンピック招致が決まったころから、いろいろな場で盛んに発言し続けている「東京文化資源構想」であった。東京には、北東部の上野・本郷・谷中・秋葉原、神保町など江戸・明治・大正の趣を維持している盛り場があり、南西部の渋谷・原宿・六本木・青山というアメリカナイズされた盛り場も生まれた。1964年の東京オリンピックを境に、東京の中心は北東部から南西部のエリアへと移行した、というのだ。それらのエリアは、いずれも歩いて移動できる範囲でもあるという。そのどちらにも属さない池袋はどんな位置を占めているのか、については、若干触れるには触れた。従来の二つのエリアの核となったのは、「駅」ではなく、「墓地」と「大学」であり、池袋周辺にも、雑司ヶ谷墓地、護国寺があり、立教・学習院・日本女子大などの大学があるから、盛り場の要素を十分持ち合わせている、という。氏の報告のサブタイトルにある「貫戦期」とは聞き慣れない言葉だが、「ヤミ市」は敗戦後に成立したものではなく、口にこそ出さないが、戦時下には日本の「負け戦」を認識していた国民は多く、すでに「ヤミ市」の要素は、市民の間では容認されていたことであった、ということを意味しているらしい。また2回目の発言では、人間のスケールに合った「ストリートカルチャー」としての「ヤミ市」の中の自由に着目し、「ゆっくり、細く、楽しく」を目指し、路面電車も復活させたいとも。

モラスキー氏は、1970年代の日本への留学以来、日本の戦後文化史を研究、日本の居酒屋やジャズの受容史などにも及ぶ。池袋については、上野、新宿などと比べてとらえどころがない盛り場である。現在、文学作品に現れた「ヤミ市」について研究していて、その作品集を編集している由。「ヤミ市」には、流通システムとしての「市場」、イチバとしての「場所」、履歴書のいらない、素人も参加できる「解放区」としての役割があるという。「店」と「街」との境界線が曖昧なことが特徴の一つとも言える。2度目の発言で、「ヤミ市」には、無計画的な自由、管理されない自由があり、従来の価値体系への挑戦とみることができる、と。

川本氏は、大正末期の永井荷風の日記に登場する「池袋」を紹介する。荷風が港区の自宅から雑司ヶ谷墓地の父の墓参りのついでに池袋に立ち寄り、予想していた以上に、市内の商店街に劣らず賑わっていたと記していたことに着目、関東大震災後の東京市内の人口移動の様相を反映していると見る。また、池袋の三業地生まれの種村季彦のエッセイからも、各地からの流入者や大泉撮影所が近いこともあって映画関係者も多く、移住者を拒まない独特の文化圏を形成していたのではないか。現在でも中央線沿線には「ヤミ市」が現存するということは、自然に出来上がった、居心地のよい空間を人が求めている証ではないか。日本の住宅は狭いので、サラリーマンは街に出て、居酒屋を求めるのではないかとも。

3人の話は、興味深かく、私の知らないこともあって、楽しかった。しかし、どうもしっくりとこないのはどうしてなのかな、の印象なのだ。吉見氏は、「東京文化資源構想」に、池袋をややムリをして当てはめようとした感じがしないでもなかった。それに、東京の中心を種々の文化資源が潜在する北東部に取戻すことが、新しい都市としての方向性を示すかのような話しぶりであったが、高度成長期にこれほどまでに変貌してしまった東京を、文化資源を核にして改造することは、並大抵のことではないだろう。都市として、人口減少、インフラの老朽化、自然災害などをどう克服していくのかという不安も伴うのだった。

モラスキー、川本両氏の話では、居酒屋、墓地、寺、大学などにしても、都市の中の点景や文化・風俗として捉えているように思えて、やや違和感を覚えた。たしかに、池袋におけるヤミ市、人世坐、池袋演芸場、沖縄料理おもろ、祥雲寺、鬼子母神、トキワ荘、サクマ式ドロップなどなど・・・について語られるのだが、それは、やはり、池袋を訪れる人々の感覚や感性によるものであって、必要以上に美化されたり、昭和への郷愁に駆られたりした結果ではなかったかと危惧するのだった。

パネリストの3人は、池袋に住んだことがなく、それだけに客観的ではあるが、生活者としての視点に欠けているように、私には思われたのである。いわば、「男のロマン」ではなかったのかとも。だから、今回の「戦後池袋の検証~ヤミ市から自由文化都市へ」で、戦後70年を池袋に暮らし、見つめてきた人をパネリストに迎えたら、もっと立体的に、池袋を活写・検証することができたのではないか、と。 

そういう意味で、私が着目したのは、東京芸術劇場のギャラリー・トークで、日替わりで、池袋に暮らし働いた方々のの話が聞けそうな企画である。一日でもいいから聴きに出かけてみたいと思っている。ぜひ記録に残し公開してほしい。さらに、豊島区制施行80周年記念事業「記憶の遺産80」(豊島区地域区民ひろば課作成・NPOとしまの記憶をつなぐ会協力)というインタビュー動画アーカイブであった。これら動画の作成と公開は、貴重な企画だったと思う。立教大学放送研究会と大正大学の放送・映像表現コースの学生が、戦前・戦後の豊島区を知る高齢者33人にインタビューしたものを、話題ごとに80タイトルにまとめたものだ。「池袋」に限っても、「池袋三業町会とともに生きる」「戦後池袋の焼け跡」「坂下通り商店街の遊び」「思い出の人世坐」「池袋西口戦中戦後の娯楽」などなど・・・、各編34分程度に編集されている。ここに、登場する方々は、居住歴が7080年が平均だろうか。私が、池袋の実家を離れたのは30歳過ぎ、記憶にあるのは戦後のことだから、知らないことも多いはずである。父母や兄たちから聞いたことのある話もよみがえってくるのだった。いま、長兄も亡くなり、義姉と姪たち家族が住む実家には、体調のこともあって、立ち寄ることもなく、家路につくのだった。

 

「記憶の遺産80」の詳細は以下参照。

http://www.toshima-kioku.jp/toshima80/80toha.html

 池袋に限らず、生活者・企業による記録や記憶の積み重ねによる、足が地に着いた都市(計画)論の展開に期待したいと思った。

 

| | コメント (0)

2015年6月 7日 (日)

「すてきなあなたへ」70号(2015年6月8日)をマイリストに掲載しました

目次
川崎簡易宿泊所火災に思う~ある記憶に重ねて~
嵐のような、あの佐倉市長選は、何だったのか
          ~これからが大事、見抜く力の大切さ*
編集後記~70号までたどり着きました
菅沼正子の映画招待席 42 「アリスのままで」
          ~明日はわが身かもしれない

*6月5日の前記事と重なる内容ですが、年表も付してコンパクトにまとめましたので
 あわせてお読みいただければと思います。下をクリックしていただくか、左のマイリスト欄の70号をクリックしていただいても読むことができます。

http://dmituko.cocolog-nifty.com/sutekinaanatahe70.pdf

| | コメント (0)

2015年6月 5日 (金)

佐倉市の市長選での順天堂大学誘致問題とはなんだったのか~また新しい情報に接して

順大誘致問題の勉強会へ 

まるで嵐のような様相で、通りすぎていった市長選・市議選におけるユーカリが丘駅前の順天堂大学誘致問題とはなんだったのか。結果的に敗れたN候補サイドが余りにも虚偽に満ちた情報によって世論操作まがいのことをやっているのを目の当たりにして、いても立ってもいられず、当ブログにも何本かの記事を書いた。投票日からは、あっという間に過ぎた一か月たったのだが、そんな折、順大誘致問題についての勉強会があると声を掛けられた。 

井野東開発での体験~山万の手法

 順大誘致問題に関して、私は、ブログに書いた以上の情報は持ち合わせてはいなかった。でも、開発業者山万を業務代行とする「井野東」土地区画整理組合による開発事業については、近隣住民としてつぶさに眺めてきた。同時に、隣接の自治会の住民として、自治会に設けられた開発対策協議会の委員として、さまざまな活動をしてきた。このブログにも、その後半部分の一端をいくつかの記事にもしてきたので、キーワード「都市計画」「土地区画整理事業」「佐倉市」などで検索を掛けていただければと思う。この井野東開発は、本格的には2002年から始まるが、その準備はその数年前にさかのぼる。その過程で、いやというほど山万の手法を思い知らされたのである。少しでも今ある緑を残してほしい、危ない道路はやめてほしい、安全な造成・建設工事と日照確保・騒音防止などを願う住民による署名、意見・要望をその都度、市役所や山万に届け、説明や協議を求めた。区画整理、都市計画の決定に必要な法的な手続きの過程でも、縦覧・情報公開・意見書提出、公聴会での意見公述などにも多くの住民が参加した。だが、当時は、佐倉市としても、この開発を都市計画の一端として積極的にバックアップしていたため、結果的に私たち、周辺住民の意見などは、ほとんど聞いてもらえなかった。重要な交渉や協議には、行政の担当者も複数・多数で参加していたことは、当たり前と思う一方、最近の行政の姿勢からは、ちょっと想像ができないでいる。そうした中で、私たち自治会と市長との面談、市長の現地視察などを実現させながら、自治会と区画整理組合・山万との「覚書」は行政立ち合いで手交した。連日連夜と言ってもいい協議で締結した、ある工区の「工事協定書」は、住民が決して満足するものではなかったが、「覚書」も「工事協定書」も、その後の建築物建設にも生かされ、せめてもと、それらの趣旨や文言が順守されているかを見守っているのが現状である。

 しかし、現実には、周辺住民の要請や期待が、ことごとく「粛々と」覆されていくのを見ながら暮らすのは、じつに口惜しく、息苦しいものがあった。今回の順大誘致にかかわる地域の地権者や周辺住民の方々も、同じような思いをされないよう、切に願うのだった。

新しい情報~3回にわたる住民説明会で、何が起こっていたか

今回の勉強会では、そうした私の思いの一端も伝えた。順大誘致問題は、山万の開発利権が露骨に浮上した一件ではなかったか。大学誘致を絡めた開発計画を、強引に推し進めたいばかりに、「順天堂大学誘致の会」をリードして、いわば慎重派だった現職市長の引きおろしを目論んだ市長選挙だったように思う。その執念と物量作戦は目に余るものがあった。選管や警察からの再三の撤去要請にもかかわらず、大量の違反ポスターや中傷ビラが市内に溢れた。ネット上の虚偽情報を含むサイトや動画広告に至っては、そのえげつなさに眼を覆うものがあった。投票日の翌日、それらのすべてが撤去、削除されていた。もっとも、違反ポスターについては、いまだ、残っているところもある、と参加者の一人が語っていた。

 そして、勉強会では、あらたな情報を得ることができた。201376日に開催された「駅北区画整理組合設立準備会 第1回近隣説明会」(ユーカリが丘3丁目自治会、4丁目自治会、上座第2町会、第7町会、第3町会ほかより計57名参加)の模様は一部、すでにお伝えしたが、説明会は、長い空白の後、市長選直前の329日の「(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北土地区画整理事業 概要説明会」(ユーカリが丘3丁目自治会、4丁目自治会、上座1~7町会自治会から70名参加)、4月30日「(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北土地区画整理事業 第3回事業概要説明会」(ユーカリが丘3丁目自治会、4丁目自治会、上座1~7町会自治会より25名参加)の議事録を見ることができた。3回の説明会の表題が異なるのも?なのだが、議事録を読んでいくと、私の懸念はますます募るのだった。

   説明会の案内の回覧期間が短く住民に徹底しなかったり、説明資料がパワーポイントだけだったり、掲示のみの用意で済ませたりなどの情報開示の不備があったことにも住民は納得しがたいようであった。

 ユーカリが丘3丁目の地区計画を条例化する際に、今回の再開発対象区域にある山万所有の戸建て用宅地を用途変更する場合には自治会との協議を前提とする「覚書」を無視して、近隣商業地域へと用途変更計画を発表したのも住民を怒らせた。

 対象区域に接する6mの生活道路を3mの歩道を付して9mにする道路計画も、周辺の施設によって交通量の激増が予想されるだけに不安が広がっている。さらに、1年半以上の空白の後、市長選直前の説明会では、とりあえず、近隣商業区域の建蔽率80、容積率300%は、大学予定地だけに限定して、他を80200%とすること、同時に、順大の学生規模が将来的に870人から2000人になるときは、容積率300%が広がることもありうると発表している。とりあえずの容積率を抑えたのは、市との協議の結果だったのだろう。山万による順大誘致の決意表明は繰り返されるが、誘致自体が不確定の中で、こうした計画が進むこと自体が、私たち市民には納得がいかない。

 今年開催の2回の説明会では、さすがに、例の「大学誘致等に関する懇話会」の報告にある「経済波及効果」に言及することはなかった。しかし、山万の幹部が、誘致が佐倉市の人口減少や民生費激増の歯止めとなり、税収増などをもたらすという文脈の中の発言に「大学生は食事を多く取りますし、地域のなかにどんどん入っていくそうした要素がありますのでそれを街づくりに活用したいなと思います」なんていうクダリもあって笑えるのだが、こんな認識だったのかと、少々がっかりもした。

 勉強会の参加者にはユーカリが丘以外の方も多くいらしたのだが、「ユーカリが丘だけに、税金を投入してほしくない、市の予算には、何かと地域格差を感じる」との発言もあった。

もう、メディア戦略?は、いい加減にして

 きのうのポストには「必見!65日、<NHKニューウォッチ9>でユーカリが丘の街づくりが放送されます!」の山万のチラシが入っていた。今年になって、これで何回目?11日の「NHKスペシャル」、41日NHK「あさイチ」、NHKもNHKで、ヤラセはかなりまずくなったので、“明るい話題”をと必死になって探していて、行き着くところが「ユーカリが丘」? 被災地復興にしても、地域再生にしても、民間活用にしても、よくウラも取らず、検証もしないまま、話を盛り上げる番組が多くなってきた。

宮ノ台では、また、先月、花屋さんがひっそりと店をたたんだ。この数年で、並んでいた美容院が閉り、レストランが店じまいし、パン屋さんも撤退してしまった。まさにシャッター街である。近くのイオン系のスーパーでは、「プライベート・ブランド」ばかりが並び、これまで買っていた商品がどんどん消えていく。

ユーカリが丘駅に近い新しいマンション1階のベーカリーチェーン店が、なかなかオープンできないでいるらしい。また、ユーカリが丘駅につながるホテルのパン屋さん、職人さんは見つかったのかしら。あまり品数が少ないので、びっくりしていると、職人さんがしばらくお休みなのでと、店員さんは申し訳なそうに口ごもる。

暮らしやすい、足を地につけた「まちづくり」を目指してほしい。

 

| | コメント (0)

2015年4月28日 (火)

佐倉市長選挙余話~N候補の違反ポスター撤収は、投票日の翌日27日だった!

きのう、ある交差点で小学校の下校時交通見守りに参加していると、この記事でも何度か触れた、N市長候補の公職選挙法違反ポスターを撤去している人に出会った。「大変ですねえ、何枚くらい回収するの」と尋ねてみると、「200枚かな」とあっさり答えていた。「これって違反じゃない?」といえば否定もせず、ポスターを留めてあるテープをカットしながら、ポスターに候補者と並んだ、例の小出監督を指して「このヒゲ面と酒ヤケの顔がイケなかった」(それが敗因?)とブツブツといいつつ、車に運んでいた。支持者か業者だったのか。投票日の前日、選挙事務所が回収中と答えていたのは、方便だったのだなあ。翌日撤収の200枚という枚数は信憑性があるかもしれない。それにしてもそのポスターの下に小さく記してあった530日の二人のユーカリ駅前の演説会は中止なのかしら。

告示後の当ブログへのアクセス件数は、日ごとに増えて、投票日翌日の27日には普段の5倍を超えたのには驚いている。ネット上でも、違反ポスターと虚偽バナー広告の動画はかなり話題になっているようだった。どう始末をつけるつもりかしら。

| | コメント (1)

2015年4月27日 (月)

佐倉市長選挙、違反ポスター・虚偽ネット広告は放置のままだ~候補者も、スポンサーもここまで堕ちた

   なにやらキナ臭い、見苦しい市長選挙戦が終わった。投票所前の候補者掲示板の横に、まだ堂々と違反ポスターが撤去されずに残っていた。「ヤリ得」ということか。現職で三期目をねらう蕨市長に対立する西田候補は順天堂大学誘致を専らの争点として担がれ、支持母体の誘致推進派の執拗なネガティブキャンペーンは続き、ポスターやネット広告は、公職選挙法違反のまま突っ走った。選挙管理委員会と警察がどこまで摘発するかもしっかり監視しなければならない。担がれる方も担ぐ方も、法律もモラルも投げうっての汚れた手は、洗い落とせるのだろうか。今後は、開発業者主導による土地区画整理事業による再開発、都市計画変更を注視していかねばならない。

   当選した市長も、褒められたものではない。告示が近づくと、ネガティブキャンペーンに危機を感じたのか、順天堂大学誘致のそれまでの慎重な姿勢を崩して、非常にあいまいな態度を取り始めた。「誘致の方向はすでに決まっていて、選挙後は順天堂の理事長と会うことになっている」ということを強調し始めたのだ。この件については、フラフラせずに、「選挙公報」にも「大学誘致活動」としか触れていないのだから、財政緊迫の折、無駄遣いなきよう努力してほしい。企業誘致、サッカースクール招聘・長嶋野球教室推進・オリンピック選手団のキャンプ誘致・・・etc. メデイア向けのパフォーマンスに気を取られるのではなく、どれほどの経済波及効果と活性化に寄与するのか、その実質を見極める施策であってほしい。

| | コメント (0)

2015年4月18日 (土)

市長・市議選の争点は「大学誘致」ばかりではない~やっぱり出た”怪”文書「順天堂大学誘致の会ニュースレター」

 明日19日の佐倉市市長選挙の告示日を控え、けさ、私の住む町内にポステイングされたのが表記の「順天堂大学誘致の会ニュースレター」という、新聞全紙大のカラー刷りビラだった。内容は、今年3月末日現在のことらしく、4月になって立ち上げられた「順天堂大学誘致の会」のブログ記事当初とほぼ同様であることから、前から準備をしていたビラだったのだろう。いや、すでにおおかた配布済みのビラかも知れない。発行元は、住所は、モノレールのユーカリが丘駅下の順天堂大学ヘルスプロモーションリサーチセンター内とある。順天堂大学が、ここまでして、市長選に臨むだろうか。こんな風にお金と労力をかけるものだろうか。大学自体のイメージダウンにもなりかねない。

 市長選公示前に市内配布をめざすだけあって、さまざまな仕掛けが隠されているようだ。選挙前によく見られる法令違反ギリギリの「怪文書」に思える幾つかの点を見てみよう。

①まず「ニュースレター」と銘打っていながら、号数も日付もない。

②見出しにもなっている誘致の会の「発会式」の日付がどこにもない。

発会式は、328日にウィシュトンホテルで開催されているが、ビラの記事には、その日時がどこにも示されていない。

オモテ面の見出しは「~発会式にて:分かってほしい事実をレポート~ 順大誘致に新たな扉を開こう」となっていて、「順天堂大学誘致の会発会式」会場の写真一枚、会場の舞台の横断幕にも日付が記されていなかった。合計8枚の写真が一面の半分近くを占める。

③名前が示されない人物写真は、いずれも、県議・市長・市議の立候補予定者だった。

壇上でスピーチしている関係者の肩書の有無も不可思議だ。東邦大佐倉病院加藤院長、順大スポーツ健康科学部島内部長、佐倉アスリートクラブ小出監督、渡貫博孝氏とあるが、名無しで乾杯の音頭を取っているN県議、これも名無しでマイクを握っているN市長立候補予定者の写真なのである。それに、壇上にずらりと並んだ面々の写真、顔は小さいが、大学誘致推進派の11人の市議たちだった。

かなり用意周到な編集ぶりである。県議選・市長・市議選用のどちらにも利用できるビラだが、目当ては市長選なのではないか。

また、順大の学部長は、この3月末日で退職なのだから、その肩書を最後の最後まで活用したことになろう。最新の「誘致の会」ブログ記事では「前学部長」の肩書で登場しているが、今後の立場はどうなるのか。

④「24億円を一人歩きさせる市長」を強調する。

記事によれば、順天堂大学は、24億円というのは「順天堂は、これまで、大学学部新設時、行政からの支援を半額として要請してきた実績と同様の指針」であって、助成金額は交渉によって決まるものとの見解を示す。これも、ずいぶんと乱暴な話だ。“とりあえず”半額の24億円からスタートさせるという交渉パターンは、「民・民」ならば成り立つのかもしれないが、助成金を出すのは佐倉市、市民の税金からなのである。その積算根拠を示すのは当然だろう。佐倉市に本気で進出したいのならば、「出せない書類は出せない」と突っ張るのは大学の本意なのか、とさえ思えてくる。「誘致の会」側のフライングではないのか。201210月、佐倉市と学校法人順天堂と連携協働協定を締結する際は、市長と順天堂の理事長が話し合っているはずなのだが、キャンパス進出・誘致の項目は示されていなかった。

⑤「協議の継続、進展の合意について」の新聞報道は想定外だったのか。

 この新聞報道に接した市民としては、市長は市長選を前に、これまでの方針を変えたのかとの不信感さえ募らせた。ところが、誘致推進派、「順大サイド」にしてみると、決裂のまま、市長選挙戦に持ち込み、誘致に積極的な対立候補者擁立のシナリオに狂いが生じたのかもしれない。

 

 「誘致の会」は、416日「順天堂大学の誘致を実現する集い」に引き続いて、きょう18日は、送迎バスを付けて、「女性のための市民公開講座 順天堂大学誘致 なぜ進まない?」を開催し、市長立候補予定者の講演がある。

市長選の争点を順天堂大学誘致に特化していいのか。市長選や市議選は、もっと大事なことを真摯に議論するチャンスにしなければいけないのに。市民の政治姿勢も問われる正念場でもある。

いずれにしても、開発業者山万が無償提供するという大学予定地を含む「ユーカリが丘駅北土地区画整理事業」とその一帯の「都市計画変更」が、「ユーカリが丘駅北土地区画整理組合準備会」の業務代行山万と市との協議が進行中なのは確かである。

<追記>2015年4月19日

①昨18日、上記記事をブログにアップした直後、わが家にも山万の広報誌「わがまち」(2015年4月付)が投函されていたのを知った。 2面が3月28日「順天堂大学誘致の会」発会式開催どまりの記事だった。ここにも、壇上に立った関係者、前市長、順大の学部長、東邦大学学佐倉病院院長、マラソンの監督の写真と名前は記されるが、N市長候補予定者の写真には、名無しで「前衆議院議員も決意表明」のキャプションを付する。なんだか笑えてしまうなあ。

②4月15日、佐倉青年会議所主催で、佐倉市長選挙立候補予定者3人による「公開討論会」(市民音楽ホール)の中継動画を視聴した。ここでも、N立候補予定者は、他の二人が地元出身者であることに対して、「私はよそ者ですが」とした上で、「順大誘致」を争点化するのに必死な様相が顕著だった。

 

| | コメント (0)

2015年4月14日 (火)

佐倉市、順天堂大学誘致をめぐる「選挙戦」 ~誘致の効果は机上の空論、得をするのは誰なのだろう

なぜそんなに急ぐのか 

    いま、ユーカリが丘駅周辺には、「順天堂大学誘致の会」のノボリがあちこちではためいている。そして、マラソンの小出義雄監督と市長候補者Nの顔写真が大きいポスターと4月16日には「順天堂大学誘致を実現する集い」が開催され、同大学スポーツ健康科学部長とN市長候補の挨拶があると顔写真入りのポスターもやたらに目につく。他にも県議とのコラボのポスターがうるさいほどだ。
   2015年3月28日、「順天堂大学誘致の会」が発足、山万のウィシュトンホテルでの発会式では、順大の部長と小出氏は、誘致に消極的な現市長をののしるような口調の話が続いたらしい。これらは、上記「誘致の会」が4月になって開設したブログに掲載されているので、一度確かめられるといいと思う。ことの経過を示した記事は、いつ・だれが・何をしたかが不明瞭で、現市長の個人的中傷に終始する。
    私は、現市長のこれまでの市政への姿勢には疑問も多く、多岐にわたる問題で、グループや個人で市役所担当課に足を運んだり、情報公開や要望・意見書を提出したりしてきている。今回の誘致の問題の経過を見ても市長はじめ行政側にも不明確な点が見受けられる。しかし、大学に建設予定地を無償貸与するという山万、誘致推進派の市議たちやN市長候補者の発言が余りにも性急で、利権が露骨で、市民の生活を置き去りにした無責任な態度が許せないでいる。
    さらに、N市長候補の公式サイトには、経済効果抜群の順天堂大学誘致こそが、佐倉市躍動への道とばかりに、かなり“エモーショナルな”言葉が飛び交う。子育てにも力を入れるというが、どうも高齢者対策などはどこかへすっ飛んでしまったような勢いで、誘致を前面に出した施策で、中身が伝わってこない。それに、この候補は、色々な政党や、選挙地を渡り歩き、国会議員時代には、原発事故によるセシウムの影響は皆無だから避難住民は、ただちに帰還させよと政府に迫って物議をかもした人物でもある。  
    最近、ご近所の知り合いからは、「今の市長は、大学誘致に反対なんだってね。ユーカリに大学が来ればにぎやかになるのにね」という声を聞いた。  
    市長選挙戦は、もう始まっていて、公職選挙法すれすれの熾烈な前哨戦のさなかと言ってもいい。 顔写真と名前の大きいポスターは、近づいて探さないと分からないような小さな字でトークや講演会の日時・場所が申訳のように記されている、よくあるシロモノである。  
    以上の順天堂大学誘致推進派の話には、二つの重大な事柄が抜け落ちている。というよりは故意にはずしての発言が横行しているのだ。

補助金24億円は市民の税金! 

   一つは、すでに市議会での質疑では、順天堂大学側が新キャンパス建設費「約49億の半分、24億円を佐倉市が負担せよ」と示していることについて、推進派は、24億円という佐倉市の財政負担への言及や説明が一切ないことである。たださえ苦しい市の財政からの24億の負担は大きすぎる。積算の根拠が示されないまま、市民の税金から24億を出せ、とにかく補助を出せという無謀さは逃れようもない。推進派は、誘致に関する懇談会が示した「経済波及効果」を鵜呑みにして、人口増、雇用増、さらに建設時に佐倉市でなされる消費が65億、以降毎年21億に達すると言う「とらぬタヌキの皮算用」、いわば机上の試算ばかりを強調する。学生・職員あわせて千人が定住・通学したときの消費、大学の研究管理費用、イベント関連費用合わせて21億になるという試算なのだ。順天堂発祥の由縁と伝統、文化教育振興も合わせて力説するのだが、870人規模のキャンパスができたからと言って、上記の劇的な数字は、にわかに信じがたい。
  学生が増えても税収につながらず、大学の固定資産税には免除が続き、少子化の中での学生確保自体の困難さ、キャンパスの都心回帰による撤退などへのリスクをどう考えるかの視点が抜け落ちている。誘致に伴う「期待」だけが先行していると言ってよい。 「順天堂大学の佐倉回帰実現に向けての署名のお願い」という文書を見ても、上記の額や財政負担自体の要請については一切触れてはいない。順天堂大学が、自力で、ないしは業者と組んで、環境に与える影響を配慮の上、この地にキャンパスを新設したいというのならば、歓迎する市民も多いだろう。しかし、一学部のキャンパス新設が、佐倉市を劇的に変えることなどありえない状況のなかで、積算根拠も示されない24億の負担は、市民にとっては納得しがたいのも当然ではないか。

経過、その双方の違いは?  

  他の一つは、このブログでも何回か記事にしているが、佐倉市のこの地区の開発や再開発にいつも絡む業者の関与についてである。今回の大学誘致問題は、2005年、前市長と開発業者山万の嶋田社長が順天堂大学の佐倉進出を要請したことに始まったらしい。山万運営のモノレール、ユーカリが丘駅舎に、順天堂大学ヘルスプロモーションリサーチセンターユーカリが丘支局なるものが開設されたのもこの頃か。健康づくりの社会化を目指すというが、毎年開く国際シンポもなじめないものだった。しかし、このシンポにも、佐倉市からは毎年100万以上の助成金が出ていた。 大学と市との交渉はいつからとみるべきなのか。2012年10月23日には、「学校法人順天堂と佐倉市との連携協働に関する協定」が締結されるが、そこでは、教育・文化・スポーツ・健康・まちづくりなどの分野での相互協力、地域社会の発展と人材育成に寄与する趣旨が記されるのみで、キャンパスの進出・誘致は一切述べられていない。この辺の経過が不明ながら、同年の12月17日市議会において、「大学誘致に関する意見書」が発議され、採択されるのである。その内容は、人口及び生産年齢人口を減少させない施策として、市とのゆかりが深い順天堂大学誘致をせよ、というもので、何ら具体的な提案につながるものではなかった。この意見書に反対する議員たちの質問に、市長は「現時点で、大学側からは、進出の話は聞いていない」と答え、ある会派は、順天堂大学の本部に佐倉へのキャンパス進出の意向を確認に出かけたところ、「佐倉への進出は、選択肢にない」との回答であったという。
  ところが、2013年11月28日、順天堂大学(総務局長)より「山万からの建設用地3000坪の無償提供、佐倉市からの建設費49億の半額の財政援助を条件に新キャンパスを開設したい」という提案があったのである。その後、市は、財政支援、補助金を出すか否か、その額を検討するにしても、詳細な計画が必要と求めていたが、その期日までに大学側からの回答がなかった。一方、大学側は、その期日までに市の姿勢や支援への回答がないので、「市長には誘致の意思がない」と判断、その表明の新聞報道に至った。さらに、市は、その後、幾度か、大学側との交渉の継続を表明するも、大学側は、市側による報道発表には虚偽があると、決裂を表明して、対立候補の支援に至った。

得をするのは誰なんだろう?  

  市は、財政支援にあたっては、当然のことながら、詳細な事業計画を見て、市民への説明責任を果たさなければならない。順天堂大学が詳細な建設計画を佐倉市に提出できないのにはわけがあったのではないか。  
  というのも、山万が無償貸与するという大学建設予定地約3000坪を含むユーカリが丘駅北口の一画約3.64ヘクタールは、山万を業務代行とする区画整理事業の対象地区で、山万は、2010年8月20日に市の担当課と事前相談を開始している。その結果2012年10月3日「ユーカリが丘駅北区画整理組合準備会」を結成、基本計画協議に入っている。2013年4月10日、市街地整備課との何回かの協議の結果、「基本計画協議書」が提出されるも、さらに変更の協議が続いているのが現況のようだ。  
    今年2015年3月11日には、上記区画整理組合準備会から「都市計画提案事前相談書」が提出された。これは、新しい都市計画提案制度に基づく民間からの都市計画変更提案のスタートともいえよう。区画整理事業地区と駅周辺地区の第一種住居地域(建蔽率60%、容積率200%)・第一種低層住宅地域(50%・100%)・近隣商業地域(80%・200%)の4.23ヘクタール(138筆、地権者山万他12名、現在は、千葉銀行とみずほ銀行に挟まれた形の駐車場など)をすべて近隣商業地域とし、幹線道路沿いを80%・300%、その後背区域を80%・200%に変更、順天堂大学、商業施設、都市型居住機能を集積し、土地の高度利用を図り、効率を高めたいという構想である。

Img062
「都市計画変更事前相談書」の地域の位置図

Img061
上記事前相談書」の「土地利用計画図」緑の斜線部分が大学予定地という。
上記2枚の図表を含め、他の資料も、末尾の区画整理組合準備会の参考資料をクリックしてください。

  2013年7月6日の区画整理組合準備会による周辺住民説明会当時は、20階以上の高層ビルを2・3棟建設し、1・2階は商業施設、上層階はマンション、その内の1棟の一部に大学が入居するという内容であった。その後、現在は、ビルの高度もかなり制限された形で協議が進められているという(市関係者)。周辺住民にとっては、日照権、ビル風被害、交通渋滞などは生活に直接影響する重大問題である。
  誘致推進派は、まだ、その用途地域が決定していない段階で、キャンパス計画も確定せず、その建設費の詳細も決まらないまま、市に補助金を要請していることになる。 山万が「区画整理事業」とその地域を含む「都市計画変更」を主導で進めるにあたって、その地域内に3000坪(9920㎡)を無償貸与してでも、順天堂大学を誘致したい理由は何か。「大学を中心とした若年層の流入」や「にぎわい」を標榜して、周辺を含めた不動産の付加価値を目指しているのではないか。だが、駅から少し離れると、空き家は急増し、高齢者家族や独居の高齢者の割合が高く、地元商店が消え、買い物難民が増えている現実などを直視することこそ、市や開発業者の重要課題ではないのか。

  それにしても、例のマラソンの監督は、現市長後援会ニュースでも、にこやかに握手をしている写真を見かけたし、今回の対立候補のポスターにも登場している。節操のない者が利用されるのも利用するのも見苦しいではないか。

<ユーカリが丘駅北土地区画整理組合準備会資料(2015年3月11日)>
・都市計画提案事前相談書(2015年3月11日、都市計画課受理) http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000012/12896/soudansyo.pdf

同上添付資料(位置図・都市計画図土地計画利用平面図等ほか) http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000012/12896/tennpusyorui.pdf

<当ブログの関連の過去の記事>
・ユーカリが丘駅前の大学誘致をめぐるおかしな動き、やっぱり、山万が ~第3回「大学等の誘致に関する懇話会」(20141010日)傍聴から振り返る」(1)(2)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/post-7e2b.html
 
20141010日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2014/10/320141010-ebd5.html
(
20141014日)

・ユーカリが丘、順天堂大学キャンパス誘致、見送り?201529日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/02/post-fea7.html

・佐倉市の大学誘致はどうなるのか~順天堂大学おかしな動き、その蔭に
201538日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/03/post-5d0f.html

・「順天堂大学誘致」はどうなったか、佐倉市議会の質疑からみえるもの
2015316日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2015/03/post-2f8b.html

 

 

| | コメント (1)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

CIA | NHK | TPP | すてきなあなたへ | アメリカ | イギリス | インターネット | ウェブログ・ココログ関連 | オリンピック | オーストリア | ジェンダー | ソ連邦・ロシア | デンマーク | ドイツ | ニュース | ノルウェー | パソコン・インターネット | フェルメール | フランス | ベルギー | ボランティア | ポーランド | マイナンバー制度 | マス・メディア | マンション紛争 | ミニコミ誌 | ラジオ・テレビ放送 | 世論調査 | 住民自治会 | 佐倉市 | 千葉市 | 千葉県 | 原発事故 | 台湾 | 台湾万葉集 | 吉野作造 | 喫茶店 | 図書館 | 国民投票法案 | 土地区画整理事業 | 地方自治 | 地震_ | 大店法 | 天皇制 | 女性史 | 寄付・募金 | 年金制度 | 憲法 | 憲法9条 | 成田市 | 戦争 | 戦後短歌 | 教科書 | 教育 | 文化・芸術 | 旅行・地域 | 旅行・文化 | 日本の近現代史 | 日記・コラム・つぶやき | 映画 | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 朗読 | 東京大空襲 | 横浜 | 歌会始 | 池袋 | 沖縄 | 消費税 | 災害 | 特定秘密保護法 | 環境問題_ | 生協活動 | 短歌 | 社会福祉協議会 | 社会詠 | 福祉 | 紙芝居 | 経済・政治・国際 | 美術 | 美術展 | 航空機騒音 | 表現の自由 | 規制緩和 | 趣味 | 近代文学 | 道路行政 | 都市計画 | 集団的自衛権 | 韓国・朝鮮 | 音楽