2019年5月23日 (木)

自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(2)日赤と皇室との関係も改めて考えたい

 昨日5月22日、明治神宮会館で開かれた全国赤十字大会に出席した皇后は「皇后雅子さま初の単独公務」などの見出しで報じられた。皇后は、日本赤十字社の名誉総裁に位置付けられている。日本赤十字社は、その前身「博愛社」を経て、発足したのが1887年なので、名誉総裁は皇后五代により引き継がれていることになる。さらに女性皇族たちが、役職に就き、今回の報道写真にも、何人かの女性皇族の姿が見られた。また、日赤の現在の赤十字社社長は、2005年から近衛忠煇(旧近衛公爵家出身、妻は三笠宮家長女)が就き、1996年からは宮内庁長官だった藤森昭一が務めていたことからも、皇室との関係は深められている。

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 その日赤から、まもなく、私たち自治会員宅に「赤十字活動資金(社資)へのご協力のお願い」という文書が回覧されるはずだ。前記事の社協会費の場合と同じように、当自治会の「補足説明文書」が回覧されるだろうか。この日赤の「社資への協力」も、私たちの自治会は、社協会費、赤い羽根共同募金と同様の扱いで、手渡し回覧袋での集金が行われ、自由意思が維持されている。

 千葉県、佐倉市において、大方の自治会は、強制徴収や自治会会計からの一括納入や自治会費への上乗せによる徴収が実施されている。県の日赤支部や佐倉市地区からの協力依頼の回覧文書のどこかには、必ず協力は「強制ではなく個人の自由意思による」と申し訳のように記されていて、一方では「年500円を目安として」「年に500円以上を目安にして」などとも書かれている。さらに、日本赤十字社のHPには、<よくあるご質問>として次のような質疑を掲載する。

会費の募集に、なぜ町内会の人などが来るのですか? 

赤十字の活動は、地域福祉やボランティア活動など地域に根ざした活動を行っており、また、災害が発生すると、自治体や地域住民の方々と協力して救護活動を展開するなど、赤十字の活動は地域と密接なかかわりを有しています。

こうした活動を支えていただくため、地域の皆さまには、会費へのご協力をお願いしているのですが、その際、赤十字ボランティアが直接お宅を訪問しお願いに伺うほか、それが困難な場合には、自治会・町内会の方々にご協力をお願いする場合があります。

  回答の前段は、建前で、本来、赤十字のボランティアがなすべきことを、自治会・町内会に丸投げをしていることを、自ら宣言し、それを自治体が公認しているのが実態である。その町内会や自治会が強制や自治会費への上乗せなどで徴収していることについては、当ブログでも何回も触れているように、最高裁の決定で違憲とされているにもかかわらず、町内会・自治会の総会決議などで、決定した方法ならば違法ではないという見解を表明していることへの異議申し立てには、どの政党も、どの自治体も、どのメディアも深くかかわろうとしない。「福祉」や「皇室」が絡んでいることをもって、いわばタブー視しているかのようである。

 この天皇代替わりの、異様なほど狂騒のなかでは、皇室情報は選別され、皇室批判が葬られていくことに気づく必要があるのだろう。

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昨年、各戸に配布された「日本赤十字社千葉県支部」のチラシ。上段矢印の箇所には「一人ひとりの自由意思で・・・」、下段の箇所には「年500円以上を目安として…」の文言が見える。

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日本赤十字社佐倉市支会のチラシ。矢印の箇所には「強制ではなく、個人の自由な意思、判断にもとづく・・・」、「年500円以上を目安として・・・」とあった。

 

 

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自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(1)社協会費の徴収、「自由」定着への歩み

 年度が替わって4月に入ると、私のブログの自治会と各種「募金」に絡む記事へのアクセスが激増?!する。新しく自治会役員になったり、班長になったりして、多分、募金徴収の仕事がわが身に降りかかってきて、疑問を持つ人が多くなるからではないかとも考えられる。私たちの自治会でも、かつては、役員や班長になって最初の仕事というのが、自治会費の徴収と5月の社協への募金500円の徴収であった。

当ブログでも、何回か触れている、自治会と寄付・募金の問題は、新聞紙上などでもよく記事にもなり、テレビのバラエティ番組の話題になることもあった。各地の自治会・町内会での強制的な寄付集めの実態やそうしたことへの疑問や改革の取り組みが紹介されることもあるのだが、全国的な動きには連動しないのが現実である。

私たちの自治会では、もう20年も前のことになるが、あることがきっかけになって、600世帯規模の10人の役員のうち6・7人が女性であった年が続いた。私もその中の一人だったのだが、社会福祉協議会が「会費」、日本赤十字社が「社資」と称して、500円を強制的に徴収するのっておかしくない?!という声が、役員からも班長からも飛び出した。私も、寄付集めを請負うのは自治会本来の仕事ではないという思いから、とりあえず、「強制」だけはやめて、社協の会員になる、日赤の社資に協力する、共同募金をするのは、あくまでも「自由」であるべきではないかと提案して、運営協議会と呼んでいる班長会の大多数の賛成で決定した。「強制」とならないためにと考えられたのは、B5の茶封筒の右肩の切れ目するから、会員・社資・寄付の希望者は、氏名を記入の上、500円を入れた小袋を、投入方法をとった。あとで、班長さんが、会員証や領収書を届けるという方式であった。封筒には、現金が入っているので、用心のため、郵便受けではなく、必ず手渡しで、ということにもなった。当初は「この町内は、なんと福祉に冷たいのか」などの声も聞かれたが、この20年間で定着した。ときには、社協や日赤の支部の人が、役員会に説得に来たこともあったという。年度初めには、市の自治人権課主催の自治会・町内会長を集めた地区代表者会議が開かれ、相変わらず、社協や日赤の支部スタッフによる協力要請の時間が設けられている。自治体が、こうした民間団体の寄付集めに全面的に協力していること自体も問題なのだが。

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私たちの自治会の方式は、むしろまれで、ほとんどの自治会は、ほぼ強制的に一定額を徴収しているか、それが面倒ということで、自治会会計から、世帯分の会費や社資、募金額をまとめて拠出しているところもかなり多いというのが現況である。

 ところが、昨日回ってきた、その手渡しの集金袋には会長名で「社会福祉協議会(会費募集)に関する補足説明」、という回覧文書が付いてきた。そこには、以下の文章とともに、「社会福祉法第109条」にもとづく、地域福祉の推進役を担う民間法人であることが付記されていた。

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 「まず、当自治会としましては、社協の会費募集に際し、お手伝いはしますが、自治会員に社協会費を強制するものではございません。あくまで、社協の活動趣旨にご賛同いただけた方のみ会費を納入頂き、当自治会はその際に回覧ネットワークを提供するのみとの姿勢です。くれぐれも誤解の無き様、よろしくお願いします」

  前述のように、私は、個人的には、本来、自治会が民間団体への寄付や民間団体の募金を請け負うべきではなく、協力する必要もないと思っているものの、現況にあっては、とりあえず、上記のように、「会費の強制」をきっぱり否定し、確認する文書を回覧に付したことは、至極まっとうなことだと思ったのだった。

 全国各地で悩まれている皆さん、自治会・町内会による社協の会費徴収について疑問を持ったり、戸惑いを感じたりしたときは、寄付や募金の基本に立ち返り、ぜひ「自由意思」によるべきとする改革を提案してみてはどうだろう。

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2019年3月14日 (木)

自治会総会の季節がやってくる~自治会の法人化は何をもたらすか

 

私の住む町内の自治会の総会は、いつもは四月に入っての日曜日なのだが、地方選挙もあってか、まさに年度末の331日に開催となった。その回覧板のリストから、お隣さんの欄に線が引かれていた。退会らしい。昨年は、東のお隣さんが退会している。寂しい限り。私たちの班は、現在、何世帯になってしまったのか。私が役員をやっていたころは、たしか22世帯であった。世帯の多い班は、回覧板を二手か三手に分けていた。自治会全員の会員名簿は、23年に1度は発行していたが、2005年個人情報保護法施行後は中止した。なので、現在は、自分の班の世帯数も把握できない状態だ。昨年、法人化されたので、役員執行部には、家族会員を含めた会員名簿が集約され、市役所にも提出されているはずだ。

   昨年、ご近所の友人から相談を受けた。お連れ合いを亡くされ、ひとり暮らしの彼女は、法人化にあたって、自治会への名簿提出の際、ひとり暮らしということも、年齢もわかってしまうので、書きたくない、でも自治会には入っていたい。やめたら回覧板とか来なくなるのでしょ?」と心配していた。私は、自治会を退会するよりは、名前だけは、仕方ないので書いて、年齢は不記入でもいいはず。自治会にとどまってはと、答えたのだった。名簿は役員限りといっても、役員は年々替わるし、名簿の類はいつ、どこで漏えいされるか予測がつかない時代なので、個人情報は最小限度でいいのではないかと思っている。

 これまでは、世帯主の名前と高齢者や要介護者がいる場合は申告によって、その人数が班長によって確認されていた。法人化されると、自治会員は、赤ちゃんまでが対象になるから、世帯全員の名前を書類で登録することを勧められる。何しろ対象区域内の全人口の3分の2をクリアするのが法人化の要件なのだ。2017年、法人化のための臨時総会が開かれた時も、世帯のプライバシーは、どう保護されるのかが問題になった。ある出席者は、子どもの名前まで書かせるのはおかしいのではないか、との疑問を投げかけていた。また、意思表示ができない子どもまで自治会員として議決権を与えるのはおかしいのではないか、という疑問もある。法人化を推進している市役所の担当課も総務省の住民制度課も、民法上、親権者が替わって意思表示できるから問題はないという。もちろん、子どもの名前を、自治会員としての名簿に登録しない選択はできるが、自治会の執行部は、ひたすら「協力」を呼び掛け、会員にならないと、会員としての利益は受けられない、みたいなことも言う。隣接の自治会の知人からは、もう決まったことなのだから、家族全員の名前を書くか、自治会を辞めるかどちらかだと迫られた、という話も聞いている。

 では、こうして、法人化された自治会のメリットは何なのだろう。強調されるのは、家族内、とくに夫婦や世代の違いで意見が異なる場合でも、その意思表示を議決に反映できる、自治会名で不動産登記ができる、住民であれば入会を拒めない点などである。

   さらに、都市部を離れると、入会地などの共同使用の山林を持つ集落の不動産登記などで明確化されることもあり、自治会執行部の恣意によって特定の住民を排除したり、村八分のような状況を避けたりできるという点で意味はあるかもしれない。

   しかし、私が一番不安に思うのは、家族まで会員にして、その議決権を個人単位で行使できるというのは、あくまで建前というより擬制であって、多くの世帯では、世帯主が家族の会員分を束ねて、議決権行使を代行しているのが実態ではないか。となると、家族会員分の複数の議決権を一人の意思で行使できることになり、その結果としての議決は、多数票が複数倍となることで、圧倒的な多数の議決になってしまう。ということは、多くの場合、役員執行部提案の議決などは、総会などに参加せずにいわば議論を経ないままの書類による議決権行使によって、あらかじめ趨勢が決まってしまうだろう。いわば「執行部へお任せ」に陥りやすく、総会などの議論の場の形骸化を招いてしまわないか。

   そして、さらに、私たちの自治会の規約のように、議決権を行使しない世帯の議決は、議長委任となると、圧倒的多数のさらなる強化になり、少数票は埋没してしまう。地域での決めごとにおける、議論の大切さや少数意見の尊重という理念はどこかに吹っ飛んでしまい、自治会自体への無関心を助長することになるだろう。この件については、私も一会員として、役員会に意見書を提出しているが、議論された形跡や報告もない。

 自治会からの退会者が増えるのは、高齢化により、班長の持ち回りや町内の一斉清掃、自治会館清掃、会費などが負担になるという理由も確かにあるだろうが、法人化による名簿の提出とその管理への不安や少数意見の切り捨てへの反発があるからではないか。現に、退会者の一人は、自分の意見や賛否がカウントされていない報告がなされていたと怒っていたのを思い出す。これからは、前述のような、めぐりめぐっての無関心層が増えていくのではないか。   法人化も、コミュニティ形成の基本を見失うと、コミュニティの崩壊にもつながりかねないと心配している。 

311の前後には、災害や事故の防災や減災が叫ばれ、公助は当てにできないから、自助や共助が大事と行政はいつも逃げ腰だが、顔の見えるコミュニティが、今こそ、必要なのではないか

 なお、当ブログへのアクセス順位のトップは、この一年、変わらず、下記の自治会法人化の記事(2017713日)であった。それに続くのが、社協や日赤、消防団への自治会の寄付を扱った記事なのである。私も不安要素がいっぱいな自治会のゆくえが心配になってくる。当ブログ閲覧の方々も各地で、悩まれているのだろうな、と思う。

 ご意見やお住いの地域での自治会の実態をご教示いただけたら幸いである。

 <参考>

◇自治会の法人化って、そのメリットは、デメリットは~自治の力を弱めないか2017713日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/07/post-3373-1.html

◇自治会の法人化について~総務省に尋ねました(2017715http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/07/post-20c9.html

◇自治会総会に出席、ふたたび自治会の法人化について(201842日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2018/04/post-9356.html

 

 

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2018年7月15日 (日)

ユーカリが丘駅北口、あたらしい街づくりというが 

 

6月の自治会の回覧資料のなかに、地元の開発業者山万発信の「平成30年度6月~開発計画について」(63日)があった。地域の複数の自治会で構成される自治会協議会で、報告されたようであった。営業所の移転、スタバの開店予定、シネマコンプレックスの運営会社の変更などの情報に混じって、「(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発事業計画」という3頁の書類が入っていた。数年前から山万が業務代行となって「佐倉市ユーカリが丘北土地区画整理組合準備会」を立ち上げ、駅前の3000坪ほどの土地を順天堂大学に提供するので、一部のキャンパスを移転してはどうかの話が持ち上がっていて、大学生でにぎわう街、それに伴う経済効果をうたい、駅前の再開発計画を目論んでいた。佐倉市には、約25億円の補助金を要請していたが、市長は、大学から詳細な計画が提出されていないことと市財政の立場から、あくまでも消極的だった。 

三年前、大学誘致をめぐる市長選挙は何だったのか

ところが、三年前の市長選挙のとき、山万が、大学誘致を全面的に推進する候補者を突如立てて、悪辣とも言ってよい選挙戦を展開した。その実態は、年表にまとめてあり、このブログでも10数回にわたって、記事にしているので、関心のある方は、一読いただけれと思う。周辺住民への説明会も、おざなりのもので、道路計画などには大きな不安が募っていた。現職の市長も誘致推進派の対抗馬に引きずられて、本来の公約そっちのけで応戦してもいた。選挙民は怪文書や違法ポスター、ネット情報に翻弄された。山万が、あの醜悪な選挙戦をリードしたのを目の当たりにすると、どんなきれいごとを並べられても、私には信用しがたいものがある。

その上、私には、私の住む街区に隣接する「井野東土地区画整理組合」による約50ヘクタールの開発事業(200279日都市計画決定~2012217日組合解散)で、組合の業務代行だった山万が見せた開発の手法への疑問があった。その開発過程で、私たち周辺住民になされた、環境保全、周辺住民無視にも等しい数々の対応を忘れることができない。土地造成に伴う産廃・残土処理・盛り土の高さ、法面の処理、道路計画、建造物の高さ、工事に伴う騒音・振動・交通対策などについて、自治会を中心とする住民組織との数年にわたる会議や質疑・折衝に見せる不誠実で、強硬な姿勢に、気を緩めることができなかったからである。さらに加えて言えば、そのときの千葉県や佐倉市の開発優先の対応にも疑義が深まったのだった。この辺り経緯は、本ブログ開設当時2006年以降の記事や地域のミニコミ誌「すてきなあなたへ」の当時の各号に詳しい(本ブログのマイリストからも閲覧できます)。

“狂乱”の市長選挙の結果は、現職に落ち着いたが、一部市議会議員と山万は、引き続き大学誘致を進めようとしていた。佐倉市側からの経過説明は以下のサイトで読むことができる。


佐倉市HP:順天堂大学の誘致について(2015716)

http://www.city.sakura.lg.jp/0000011401.html

 

〇佐倉市における順天堂大学誘致問題の動向2015~市長選を中心に(告示日:2015419日、投票日:426日)20155月作成、同年6月、20187月補、内野光子作成)
 http://dmituko.cocolog-nifty.com/yukarinenpyou.pdf

大学側も、佐倉市からの補助金引き出しを困難と見て、キャンパスの都心回帰志向が高まる中、補助金がないままの進出は、どうでもよくなったのか、201610月、大学と山万は協議の上、「佐倉市ユーカリが丘北土地区画整理」事業による都市計画提案は取り下げるに至ったのである。 加計問題の二の舞になるところではなかったか。

取り下げから、一年半余り

そして、取り下げから一年半余り、佐倉市との事前協議を重ねていたのだろう、2018320日、今回の「都市計画」提案になったのである。大学に提供すると言っていた1ヘクタール弱の敷地を含めた4.3ヘクタールに、「内外の企業誘致をするためのビジネス街、子育て世代からシニアのための多機能住宅構想を柱に、就業人口、昼間人口、定住人口の増加を目指す」とした都市計画提案を、613日付で、佐倉市は採用・決定した。下のホームページでも明らかなように、計画書、審議結果の双方とも、大学誘致についての経緯や評価にはいっさい触れていない。その提案者は区画整理事業組合(準備会)ではなく、山万からのものであるが、実質的には、大きな変わりはない。

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2018年3月20日、山万から提出された「都市計画提案」

上記の決定内容の詳細は、以下を参照ください。

〇佐倉市HP:都市計画提案(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発地区及び周辺地区2018613日)
http://www.city.sakura.lg.jp/0000019052.html



あらたに決定した計画書と開発実績とは

「職住近接下コンパクトな街づくり」「国際色豊かで多彩な都市的機能の享受機会に恵まれた駅前拠点」として再構築を目標とし、「賑わいと活力のある商業・業務機能と利便性に富んだ都市型住宅機能の整備をはかり回遊性と界隈性を備えた街づくり」を実現する、とある。また、佐倉市の審査結果には、都市計画法や千葉県、佐倉市の都市計画との整合性、地権者・周辺住民との調整、環境への配慮、地元での開発実績からの実現性を評価し決定したと記されている。

 <用途地域のの新旧対照図> 

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右が用途地域変更後の見取り図になる。現在、みずほ銀行の角裏の空色の台形部分の第1種低層住宅専用地域と黄色い296沿いの第1種住宅地域の一部がピンク色の近隣商業地域に取り込まれ、変更となる


  <予想建築物計画図>

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みかん色が三か所の高層住宅で、合わせて432戸。灰色の立体の専用駐車場639台とビルに併設が221台で、あわせて860台。ピンク色の2か所の1階部分が商業施設となる。中央の青色部分が1500人収容の多目的ホールになるという。各建造物の事務所スペースが多い

 

上記二つの図面の詳細は、以下を参照ください。

佐倉市HP:都市計画提案(仮称)佐倉市ユーカリが丘駅北再開発地区及び周辺地区2018613日)

http://www.city.sakura.lg.jp/0000019052.html

こうした、夢のような構想が語られても、その実現性は、これまでの、「井野東」「井野南」などの土地区画整理事業による開発経過と結果・実態をみれば明らかになるのではないか。それにしても、7月21日に予定されていた、公聴会は、公述人なしで、中止になったという。

これまでの開発で、多くの緑地と雑木林を失い、都市計画道路と宅地になり、高層集合住宅も建った。戸建て住宅の小規模化により子育て世代を呼び込んだり、集合住宅は、企業などの借り上げなどにも助けられたり、この地区の人口は確かに増加した。しかし、計画道路沿いの商業ゾーンは、当初、大型スーパーや葬祭場などができて、渋滞などが予想されたが、いまだ空き地が続いている。また、さらに、駅寄りに巨大なイオン・タウンが開業したが、どうだろう。それよりもユーカリが丘駅に近かった、二つの商業施設(ユーカリプラザ、旧サティ)のスーパーや専門店の撤退が相次ぎ、いまは、昨秋、開店のオーケーだけがにぎわっているのが現状である。駅の南側にあった電気店コジマや北側でもツタヤをはじめ、パン屋さん、いくつかの個人商店が閉業している。イオン・タウンへは、オープン以来、私は数回しか出かけていないが、連れ合いは、自転車で、ノジマや生鮮食品売り場、クリーニング店などにはよく通っている。私も出かければ、レストラン街など歩いてみるが、魅力的な店が見つからない。一流とか、有名とかにはこだわらないつもりだが、テナントとして入る店が、どうもこれという特色がない店が多く、リピーターがつかめないのではないか。同じようなことを、よく買い物に出かけるという友人も話していた。お客が多いのは生鮮食品売り場くらいで、閑散としている店が多いのだ。なかには、冷房も暖房も効いているので、もっぱらウォーキングのために出かけ、ところどころにベンチもあるので助かるという友人もいる。

それに、テナントの出入りもはげしく、定着しない。オープン当初、しっかりした眼鏡屋さんが入ったと思い、眼鏡を新調したら、なんと一年余で撤退してしまったという個人的な体験もある。

この街に、あんな大きな商業施設が必要だったのだろうか。呼び込んだ山万とイオンのコンセプトがわかりにくい。遠隔地からの集客は、近隣に同様の商業施設が乱立しているから、まず無理なのではないか、というのは素人でもわかる。私たち住民にとっては、地元の商店やコンパクトなスーパーが充実していれば十分にも思える。私は、コピーや公共料金納入・送金などで利用する程度のコンビニながら、この街にはコンビニが多く、内情はわからないが、共存しているらしいのだ。ということは、大型スーパーより、コンビニの利便性が評価されているのかもしれない。若者、シニア、単身者の利用が多いというのもうなづける。さらに、いくつかの生協の宅配、食材・弁当の宅配業者の車もよく見かける街となった。また、モノレールとて、運行距離が短く、限定的で、駅やホームへのアクセスが悪く、運賃が高い。結局は、小回りの利く、シャトルバスやコミュニティバスを運行する事態に到っている。

今回の開発で、さらに商業施設が増強され、事務所スペースが多く、ビジネス街を目指すという所以でもある。ほんとうに、ビジネスを誘致できるのか。この街はどうなるのだろう。近い将来、当地域の人口増加も、いずれ期待できなくなり、利用者激減の商業施設やモノレールはどうなっているのだろうか、を目の当たりにするのが恐ろしいのだが、そのころ、私などは・・・。 

それでも、企業や自治体、議員や研究者などの視察が盛んなのは

 そんな状況の街ながら、山万の街づくりが、モデルケースとして、国や自治体、地方議員、企業関係者、研究者らの来訪・視察の対象となっている。レポート類も数多く出されていて、業界紙やテレビでも紹介されることが多い。テレビの「カンブリア」にも登場していた。しかし、その大方は、山万が提供する資料や山万の社長や幹部のインタビュー取材にもとづくもので、いわば企業の広報べったりのレポートであることが多く、その裏付け取材や検証がなされないまま、独り歩きしているのだ。将来の人口構成まで見据えた年間200戸以上売り出さない「成長管理」、分譲したら、その地を撤退する開発ではなく、地域に密着した企業であり、社員を地域に住まわせ、関連会社による子育てから介護、環境整備まで支援し、環境に優しい新交通システム(モノレール)の導入、電気自動車のシェア、コミュニティバスなどの運行、住民へのアンケート実施などが高く評価されたことが、HPや広報誌「わがまち」、「夢百科」などで繰り返される。

 ともかく、地元の市役所や住民・自治会・地元のNPOなどに取材したり、関係資料を収集したりする努力、形跡が見えないものがほとんどである。

 実態を見ない机上の開発手法であることが多く、地域密着と称して自治会や管理組合在籍の社員による情報収集・情報操作がなされた場面にも遭遇している。

役人や議員、学者や実務家ら専門家・有識者と称する者やメディアの言は、まず疑ってみよ、が、私にとって、どんな問題にも共通する鉄則にも、思えてくるのだ。

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2018年4月 2日 (月)

自治会総会に出席、ふたたび自治会の法人化について

41日は、自治会の総会があり、役員・班長さんが交代した。昨年度と言えば、私たちの自治会で、問題になったのは、このブログでも記事にしてきたが、自治会の法人化であった。

広報が行き届かないまま、役員会主導で進めてきたことが、一番の問題点だと思っている。法人化に向けて、去年の7月に臨時総会が開かれることになって、私自身も、わからないことが多いので、ご近所の班長さんの何人かに聞くと「よくわからないんです。会長に聞いてください」との答えが返ってきたし、逆に、知り合いの班長さんや会員の方から、呼び止められて「どういうことなんですか」と尋ねられることもあった。さらに、隣の自治会でも、知り合いの会員から、「法人化は、もう決まったから、家族全員の名前を書いてもらわないと困ると、班長さんに強制された」との声も聞かれた。私も、総務省の住民制度課や佐倉市の自治人権課に問い合わせをし、7月の臨時総会でも質問をした。

法人化にあたっては、対象地域の人口が分母になって、3分の2以上の住民が自治会に加入していることがまず条件となるが、運用上、これも厳密なものではないと、総務省は話していた。人口ということであれば、ゼロ歳からすべての住民を含むことになり、自治会名簿は入会者名簿となり、会員が人口の3分の2をクリアせよ、ということになる。自治会員が世帯という単位ではなく、個人単位で会員になるということ自体は、それはそれで、現代の家や家族の在り方からすれば、当然の方向なのかもしれない。しかし、当自治会では、法人化をいそぐあまり、家族全員の加入をかなり強く促していた。人口の3分の2をクリアするのに焦っていたのかもしれない。

さらに、私たちの自治会では、法人化に伴う自治会会則の変更により、総会での議決の方法を一気に簡略してしまったのはどうしたわけだろう。

従来は世帯単位、すなわち1世帯、1議決権だったものが、1会員、1議決権となった。会員名簿に登録した世帯員全員が1議席を持ち、意思表示が不能な場合も(親権者などの)代理により議決権を行使することができるようになった。

この変更が波及して

1)これまで、総会の成立要件は、総会当日の出席世帯数と議決権行使世帯の合算が会員世帯数の2分の1以上であった

⇒ 出席世帯数と議決権行使書付きの委任状提出者(参加しない会員で委任状に記名された会員)の合算が2分の1以上となった

 

2)これまで、総会当日出席せず、議決権行使書を提出しなかった世帯は棄権とみなされ、棄権としてカウントされた

⇒ 「総会への出席または議決権行使書の提出のいずれも実施しない会員は、その議決権を総会議長に委任したものとする」

以上のように変更した会則のもとに、今回の総会の議決がなされたが、かなり、不自然な結果が生じることになった。 というのは、たとえば、会則を変更して「役員は自治会費全額を免除する」するという議案については、以下の議決結果で賛成多数で承認された。

 

 会員総数           1834名(649前後?)

  (ちなみに対象区域、2月末日現在、821世帯総人口2111人)


 
出席世帯数           105世帯 反対3世帯
 
議決権行使書による委任者数  1028名  反対8

 議決権数の分母が105+10281133名、反対が11名で賛成多数という結果になったのである。ここで、棄権した世帯の会員は、この数字には入っていない。出席世帯の中には夫婦で参加しているものもいたが、議決権は、これまで通り1議決権ということであった。そこで、シンプルな疑問なのだが、出席者世帯ごとの1票とし、議決権行使世帯会員ごとの1票の意味の違いはないのか。出席者世帯における会員の議決権は、問われないことになる。議決数カウントのダブルスタンダードになっていることが分かる。
 
 こうした疑問は、法人化の臨時総会の時も出ていたし、棄権を議長委任とすることに関しは、市からのアドバイスがあったということであったが、市に確かめたところ、会員となる要件、総会などの成立要件や議決の方法は、各自治会に、特段の規定がある場合は、その限りではない、とのことであった。地方自治法260条の18に定められてもいる。

 なお佐倉市ですでに法人化した自治会は18ということで、255の自治会の一割にも満たない。全国的には、5%ほどだそうだ。そもそも、法人化のメリットは、個人単位ということであったが、赤ちゃんにまで議決権を与えるという「擬制」は、現実的ではないし、民主主義とは相入れないだろう。会員になるかならないかは、個人の自由なのだから、選挙権の有無、18歳くらいをめどに、入会の有無は各人の申告制にするなどの工夫がなされるべきであろう。

 議決の簡便化、棄権の議長委任などは、会員意識を希薄にし、自治会への無関心をますます助長することになるだろう。高齢化が進み、自治会業務のアウトソーシングなど、本末転倒の話も出てくる始末である。

<地方自治法>
 
第260条の18 認可地縁団体の各構成員の表決権は、平等とする。
 
 認可地縁団体の総会に出席しない構成員は、書面で、又は代理人によつて表決をすることができる。
 
 前二項の規定は、規約に別段の定めがある場合には、適用しない。

<当ブログにおける参考記事>
 
・自治会の法人化って、そのメリット、デメリット~自治の力を弱めないか
 
2017713日)
 
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/07/post-3373-1.html

・自治会の法人化について、総務省に尋ねました(2017715)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/07/post-20c9.html

<佐倉市の自治会法人化の手引き>http://search.yahoo.co.jp/r/FOR=uxpHkF1V3ihSU7BRJf4hHNfn9X.SFb9VXblQJS0WEhQ.M8wqhh_hSaX2HEyYQp6HZ7BS_Z1apKTbngKPmaLzPahIEke8U4_5aoftuNvpJA2P95v6qpswEefsuwiUK2lVykkjC_eF3T3Z_0cH8coeJMomUufxFOmFapAVE6L7z0UxlNBxXjKcE6jETLWq0d4X4Me1uO4L5_VRykqAZFmwHJmUZEO_eE6VUpGn3fng8jSU6ye2mP4H1s7Gs9r2tntYzZxbfuFhK6F7FKkMfKY.V_zp2QPEK7_GrosT/_ylt=A2RA0nN_fMFaawIAAY2DTwx.;_ylu=X3oDMTBtNHJhZXRnBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGU-/SIG=13k39vtd5/EXP=1522730559/**http%3A//www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000004/4954/jitikaichounaikai_houjinkatebiki.doc

 

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2017年12月 5日 (火)

「赤い羽根」への善意のゆくえ

赤い羽根 胸にともせる人に会う 小さな愛のあふれる季節

 

 ことしも、わが町の自治会でも、赤い羽根募金袋が回ってきたと思ったら、今月は、歳末助け合い募金も回ってきた。もうだいぶ古い話になるのだが、冒頭の「赤い羽根 胸にともせる人に会う 小さな愛のあふれる季節」は俵万智の短歌である。彼女が、一九九八年から三年間、中央共同募金会のポスターモデルになっていたときの一九九九年のポスターに掲載された短歌である。 

その前年、赤い羽根募金のポスターに「「寒いね」と話しかければ「寒いね」と 答える人のいるあたたかさ」という短歌が掲載されたのを見て、人気歌人の人気作品が、こうして利用されるんだ、の思いをあらたにしたのだが、翌年の、冒頭作品を見たときには、少し驚きもし、団体の要請により作歌に応じたんだと、少し怖いものを見た気がした。

 

そのころ、私たちの自治会でも、班長さんが、自治会費のほかに、社会福祉協議会の会費500円、日本赤十字会の社資500円、赤い羽根募金の500円ほかいくつかの寄付を集める仕事について、疑問の声があがっていた。とくに毎年転居してくる新住民から、「寄付は自由なはずなのに」「前の自治会では、こんなことはなかった」などの意見もあったし、私自身の班長の経験からも、留守の家も多く、集金は負担であったし、定額の領収書を持っての集金には抵抗があった。我が家では、ある時から、「寄付は自由だと思うし、別のかたちでボランテイアをしているので」と、班長さんにはことわっていた。

 

そして、その後、自治会の役員を数年やる羽目になって、これまでの本ブログでも繰返している「自治会と寄付」の問題に取り組むようになった。今、自治会には、直接かかわらないものの、会員として、市民として、ささやかながら発信を続けている。全国的にも、この問題への関心は高く、私のブログでの関連記事は、常時、アクセスが多い。「自治会と寄付」については、すでに最高裁判決が出ているというのに、なかなか改まらない実態があり、問題の根は深いからだと思っている。新聞やテレビでも、ときどき、特集が組まれるようにもなり、私自身も取材を受けたり、出演?したりしたこともあった。あるとき、昼のワイド番組から、「怒れる女たち」(?)というコーナーへの出演依頼?があったときには、即座に断ったのだった。

 

五百円の寄付の代りに貰ひたる置きどころ探すこの赤い羽根 

  

  これは、今週、月曜日12月4日のある新聞歌壇の入選作である。そしてなんと、作者は、Tさん。彼は、大学時代の同期で、短歌研究会のメンバーであった。斎藤茂吉、佐藤佐太郎流の作品を、週一度、昼休みに開いていた研究会で発表していた。当時は、コピーなどはなかったから、お互いに、自分の作品を黒板に書いての歌会であった。年に一度だけ、『ポロニア』という謄写版の冊子に短歌や歌論を掲載するといった活動をしていた。「大学歌人会」も衰退の一途をたどっていた頃だが、それでも、数回の合同歌会で会ったことがあった岸上大作が、一九六〇年一二月、自殺したことを知って衝撃を受けた仲間のTさんだった。長い間、国語の先生をされ、海外で日本語教育にも携わった方でもある。

 

Tさんの短歌は、この新聞歌壇欄でも、ときどき読むことがあるのだが、今回の入選作は、俵万智の短歌にも通じる「市民の善意」を詠んだものだろう。ただ、Tさんには「置きどころ探す」で、あの針のついた赤い羽根の置き所に苦慮している様子が伺われた。「上手だな」と思う一方、「五百円」の集められ方と「五百円」の行方にもう少し踏み込んでもらうと、「赤い羽根」の問題点が浮上するはずなのにと、この短歌を選んだ選者にも、もの申したい気持ちであったが。

Photo

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2017年10月 6日 (金)

これ以上<希望>をばらまかないで~「赤い羽根」募金を通して考える 

102日に東京へ出た。最寄りの駅の構内では赤い羽根の募金が始まっていた。国立国会図書館に調べ物があって出かけたのだが、議事堂近辺は、集会の声もなく、人通りも少なく、いたって静かなものだった。等間隔に立つ警官の姿、なぜか路上の何カ所かに置かれた蛇腹の鉄柵だけが目立っていた。すでにギンナン落果の季節は過ぎたのか、足元を気にしなくてもいいようであった。

今年の10月は、とんでもない10月になりそうだ。臨時国会の開催を3カ月も放置した挙句、9月末日に冒頭解散をした安倍内閣。臨時国会を開催しないのも、憲法7条解散もそれ自体が憲法違反ではないのか。議会軽視もはなはだしい。こじつけたような解散理由が「大義なき解散」といわれる所以である。一方、「野党共闘」に「期待」するあまり、「積み上げ」というよりは、ゆずりに譲ってしまった共産、小池新党の国政進出、民進党の希望の党への合流、はしごを外された「野党共闘」は「野党と市民の共闘」と言い換えたりしている。民進党リベラル派新党立ち上げで、少しばかり、選択肢が増えたかもしれないが、なし崩し的に選挙モードに入ってしまった。

これからいったいどうなるのだろう。日本は、近隣諸国との関係でも軍備強化、原発輸出・再稼働推進、雇用・消費が一向に伸びず、「全世代型」の福祉切り捨てなどによる危機が目前に迫り、私たち、高齢者にとっては、“命がけ”で病院や施設に入るか、そうでなければ、家族を疲弊させる在宅医療・介護に甘んじなければならない時代に入り、「絶望列島」になりかねない。「国民の命と財産を守る」と叫びながら、軍備増強によるリスクや国の借金を増やすばかりの自民党、「希望がゆきわたる国へ」とのポスターを街角に掲げる公明党、「希望の党」と名付けた小池新党・・・。不安や失望が渦を巻いているからこそ、政党は「希望」や「期待」という実のない、口あたり、聞こえのよい言葉だけをばらいてはいないか。

国にあっては、優先度をつけて、実施して欲しい施策がある。憲法改正などはまず不要で、現憲法下ですぐにでも実施できることは、山ほどある。「消費税の使い道を変える?!」って、自公は得意げではあるが、法人税のわずかな増税、内部留保税の導入、所得税の総合課税や累進性を高めれば、消費税増税などまったくもって不要にもなる。教育の無償化や補助は、憲法を改正しなくても立法により十分対応できるはずである。メディアは、政局内の攻防を面白おかしく伝えるばかりだし、登場する専門家という人たちは、素人でもいえそうなことしか口にしない。 

地域に押し寄せて来る数々の危険

この度の選挙にしても、私たち市民には、どんな選択肢があるのだろう。地域では、治安というだけの名目で、監視カメラがめぐらされ、自治会を中心に、社協、PTA、子供会、商店会、さまざまなNPOなどを束ねた「まちづくり協議会」、自治会の「法人化」、募金・防犯・防災というボランティアの強制など、いずれも自治体の行政下請け化、自治会の弱体化を図る目論見である。共謀罪新設と相まって、相互監視社会へと突入する。自治体が直面する危機~人口減少、商店街の衰退、学校の統廃合、交通困難、空き家問題など過疎化の問題、私の住む千葉県では、行政にも議会にも、羽田・成田空港の拡張に伴う環境被害、木更津基地へのオスプレイ配備の危険性、拙速な開発・再開発による弊害などについては、住民の切実な声が届かない、聞こえないふりをしているのが現実ではないのか。地元佐倉市でも、市からの24億円助成を前提にした順天堂大学学部誘致で揺れに揺れた。地元の不動産業者が暗躍、誘致の一点で市長選に候補者を立て、あくどい選挙戦を繰り広げた。消極的な市長も選挙戦後半には、その攻勢にフラフラしだしたのだ。誘致は今、白紙状態となったが、胸をなでおろしている人たちも多いであろう。

駅頭での赤い羽根募金は、あまり目にしなくなったのも、ボランティアの高齢化が進んだからであろう。自治会からはもう先月には、募金袋が回ってきていた。私たちの自治会では辛うじて、募金は、するもしないも、金額も、世帯の自由になっている。赤い羽根募金は、中央共同募金会が自治体の社会福祉協議会に募金業務を委託し、社協は、自治会や町内会に丸投げしているのが現状だ。自治会などがまさに集金マシンとなっている。本来ならば自由な寄付が、強制に近い形で集金される現状は、各地で問題を起し、裁判にもなった。このブログ記事でも何回か記事にしている。だいぶ古くなってしまったが、基本はいまだに変わっていない。

赤い羽根共同募金の行方(1)(2)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-2f90.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-dd38.html

 集められた募金は、年々減少の一途をたどる。中央共同募金会のデータによれば、赤い羽根共同募金は、70年前、1947年、約6億程度でスタートし、1851年に10億、1980年に100億、1998年の261億をピークに、減少し始めたのである。2015年には184億にまでになっている。自治会等を通して集められる「戸別募金」は、歳末助け合いなどを含むと、募金全体の70%以上占めることも、ほとんど変わっていない。街頭や学校での募金は、合わせても5%にも満たないのが現状である。以下の図をご覧いただきたい。これが募金の入り口と出口で、2015年度では、募金総額184億、助成総額160億、差額が経費とみてよいだろう。

Img328

出典:中央共同募金会 年次報告書平成27年度(2015年)
http://www.akaihane.or.jp/organization/pdf/annual_h27.pdf 

では、これらの募金は、どう使われているのか。たとえば、千葉県では30%が広域で使われ、70%が地元に還元されているという。最後はどこに行き着くのかは、地元の佐倉市のデータベースに詳しいが、少し立ち入ってみると、疑問も多い。

佐倉市赤い羽根データベース<はねっと>

http://hanett.akaihane.or.jp/hanett/pub/homeTown.do?data.jisCd=12212 

たとえば、2016年度(平成28年度)で、歳末助け合いを含めての募金の配布先を見ると、14ある地区社協に各10万、各施設に3.5万、施設の催事に3万など合わせて80件、大口の配分先を含む個所を複写するとこんな具合だ。各行の【表示】をクリックすると、その詳細が現れる。各地区社協は10万をどのように使用しているかも見ることが出来る。

下記の大口の例では、支援金配分事業がほとんどで、対象の利用者数の延べ人数と使用目的~見舞金・祝い金の記載があるのみである。まさに、配分のための配分、機械的なバラマキの感がぬぐえない。募金会は単なる配分機関となり、配分を受けた事業主体や施設がまた配分機能を果たし、募金が配分されるたびに、人件費や経費がかさんでいく仕組みである。福祉の対象の人たちに届く時点では、わずかな見舞金や茶菓子代になってしまっていないか。これって福祉なのだろうか。

 

22

 
 

広報雑誌「社協さくら」発行

 
 

赤い羽根

 
 

2,858,000

 
 

表示

 
 

23

 
 

在宅福祉(いきいきサロン・食事サービス等)

 
 

同上

 
 

1,039,000    

 
 

表示

 
 

24

 
 

福祉総合相談事業

 
 

同上

 
 

1,044,000  

 
 

表示

 
 

27

 
 

要支援世帯に対する支援金配分事業

 
 

歳末助け合い

 
 
  

2,040,000   

 
 

表示

 
 

28

 
 

母子・父子世帯に対する支援金配分事業

 
 

同上

 
 

5,013,000 

 
 

表示

 
 

29

 
 

ひとり暮らし高齢者世帯に対する支援金配分事業

 
 

同上

 
 

1,680,000

 
 

表示

 
 

30

 
 

寝たきり高齢者世帯に対する支援金配分事業

 
 

同上

 
 

94,000

 
 

表示

 
 

31

 
 

心身障がい児・者世帯に対する支援金配分事業

 
 

同上

 
 

424,000    

 
 

表示

 

 

  身近な福祉に目を向けていくと、国における福祉政策が透けて見えてくる。年金記録問題や年金支給漏れなど、原因や責任の解明が済まない先の不祥事は後を絶たない。根っこには、寄付文化やボランティア精神が根付かないまま、「絆」とか「共助」、「家族愛」まで持ち出し、福祉や災害復興政策の補完が強制されている現実を見失っていないか。足元の地域で何が起こっているかも知らずして、国の政治は語れないと思うのだ。

 

活動の対象

 

活動の対象

 
 

件数

 
 

金額

 
 

高齢者

 
 

32

 
 

2,889,00013.2%

 
 

障害児・者

 
 

15

 
 

1,559,000円 7.1%

 
 

児童・青少年

 
 

9

 
 

  5,273,00024.1%

 
 

課題を抱える人

 
 

2

 
 

2,052,000円 9.4%

 
 

その他

 
 

22

 
 

10,106,48846.2%

 
 

合計

 
 

80

 
 

21,879,488

 

  活動の目的  

 

活動の目的

 
 

件数

 
 

金額

 
 

日常生活支援

 
 

16

 
 

   11,745,00053.7%

 
 

社会参加・まちづくり支援

 
 

51

 
 

   9,224,48842.2%

 
 

社会福祉施設支援

 
 

2

 
 

70,000円 0.3%

 
 

その他の地域福祉支援

 
 

11

 
 

840,000円 3.8%

 

合計

 

80

 
   21,879,488 

 

    図書館からの帰り道、議員会館の方から、なにやら黒いスーツの一団が渡ってきた。この時期に陳情団でもないし、地方議員の見学でもないだろう。よく見るとまだあどけない青年たちだった。そう、近辺の役所の新人たち、どうも内定者たちなのか、101日は休日だったから、今日が内定式解禁日ということなのか。先頭に、これも若い案内役が「今年は女子が少ないんですよ」との声、その後はよく聞こえなかったが、「ヴァレンタインデーが・・・」の声のあとでは、若者たちの小さな笑い声が起きていた。総勢145人だったろうか、茱萸坂を下って行った。決して佐川長官のようにはなるな、初心を忘れるな、と見送るのだった。

 

 

 

 種類 助成額 

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2017年7月15日 (土)

自治会の法人化について~総務省に尋ねました~

総務省での担当は住民制度課でした。あらためて、確認したことが、いくつかありました。当ブログの前の記事にも書いた私自身の疑問にも通じるのですが、次の二つが重要かと思いました。

1.法人化された自治会の構成員になるかならないかは、住民個人の自由です

自治会の法人化の際、法人の構成員になるかならないかは、住民のまったくの自由です。構成員になるかならないかは、法人の構成員の名簿に記名するか、しないかで決まります。ただ、記名しなかった、その人個人は自治会に不参加ということになります。

自治会には、これまで、世帯主の名で加入し、世帯ごとに会費を納めていますが、世帯全員が自動的に自治会員でした。

法人化した場合は、そこが違います。しかし、世帯の誰かが構成員となっていて、会費を納めていれば、他の構成員になっていない世帯員が自治会から不利益を受けることは、まずないでしょう。

法律上の意思表示ができない幼児や子供たちは、親権者の意思で構成員にならないという選択が可能であることは確かです。役所に提出する構成員名簿に記入しなければいいわけです。例えば、自治会執行部から「法人化にご協力ください」という勧めはあるものの、お子さんの名前をすべて名簿に記入することをためらう親御さん(親権者)は多いでしょう。その名簿は、当然、自治会会長(役員)を経て市役所に提出されるわけですから、個人情報の管理の問題が生じます。はっきり言って、情報漏洩の防止の担保は、官民どこにもありません。あり得ない人や場所から個人情報が流出しているのが現実です。

そのような心配をされる方は、構成員名簿に記入しない選択をすることができます。 

それにしても、意思表示が不可能な子供たちの意思が親権者の意思にプラスされることになって、本来平等であるべき議決権に、親権者故に自動的に複数の議決権が行使できることになり、一票は決して平等ではなく、制度本来の意思の個人表明、議決権の平等とは裏腹の逆の結果を生じてしまいます。総務省でも、その点を、今後十分協議して、実態に合った法改正をと、担当者には要請しておきましたが。

 

2.総会議決事項の議決の方法~世帯1議決も可能、議決権を行使しない構成員の議長委任は自治会規約の行き過ぎです

総会議決事項は、法人構成員全員の議決権行使による議決を経なくとも、従来通りの世帯による議決ができるとした特段の規約を設けることで、可能になるということでした。だから、総会に参加できず、議決権行使をしないことを以て、委任状もなく自動的に議決の賛否を議長に委任するとの自治会規約を地方自治法は要求していない。法人にかかわる重大事項には、棄権を含めての構成員の全員の意思表示が必要だが、日常的な自治会の総会議決には世帯単位の意思表示で足りるという規約を排除するものではない、というのが総務省の「地方自治法260条の18の3:の趣旨だとのことであった。

となると、「議決権を行使しない構成員の議長委任」は、これまでの、議決権行使書を含めての会員世帯の二分の一以上の参加で、二分の一以上の多数決で議決していた会則を、大きく変更するもので、会員世帯の意思表示を、より正確に反映するのでなく、おおきく歪めることに通じはしないか。議決方法の効率化のみが優先するのと、少数意見を葬る手段にもなりかねないのではないか。当自治会の一考を促したい。

<地方自治法>
第260条の18 認可地縁団体の各構成員の表決権は、平等とする。
 認可地縁団体の総会に出席しない構成員は、書面で、又は代理人によつて表決をすることができる。
 前二項の規定は、規約に別段の定めがある場合には、適用しない。

 

 

 

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2017年7月13日 (木)

自治会の法人化って、そのメリットは、デメリットは~自治の力を弱めないか

 7月の初旬に、当自治会の臨時総会が開かれた。議題というのは、自治会の法人化であった。今年の4月の定例総会で、出ていた話であったが、「法人化」についての資料が届いたのは6月中旬で、説明会もないままの臨時総会での議決だった。資料だけではわからないので、立ち話ではあったが、出会った班長さんの複数の方に尋ねたところ、「班長会でもわかる人は少ないのでは」とか「私にははっきりとわかりません」「会長さんに聞いてみては」との話だった。臨時総会の前夜、思い切って知り合いに電話したところ、自治会館の建て直しが3年後に迫り、その敷地を廻って、佐倉市と交渉している中で、市から法人化をすすめられたという。任意団体の自治会では、市から土地の提供はあっても自治会館という上物の所有権は、今のままでは、自治会の所有にはならず、市に帰属してしまいますよ、ということらしい。 法人化のための自治会の規約改正も、臨時総会の議決事項の一つだった。ざっと目を通してみると、わかりにくい上に、疑問も多いのだ。

 

法人化のメリットって 

 そもそも、法人化は、従来の自治会が世帯単位であるのに比べ、個人単位で、構成員になることができ、年齢・性別・国籍など問わず、その区域に住所を有すれば、だれでも構成員になれること、法人化によって、自治会としての不動産登記ができるようになることがメリットだという説明だった。 

 しかし、不動産登記に関しては、現在は、自治会館は、市の所有権で、火災保険などは市が掛けているが、管理運営は自治会の会館管理委員会が中心で、建物の管理や清掃などを実施しており、増改築や修理には助成金も出る。その利用にあたっても不自由を感じたことは、まずなかった。

 

疑問1:赤ちゃんにも議決権があるという 

 法人化した自治会の構成員は、世帯ではなく個人単位であるのが、特徴だ。現実に、佐倉市の場合は、全住民、人口の三分の二が構成員ならないと法人化できない、というルールを設けている。自治体によっては、二分の一だったり、四分の三だったりするとのことで、構成員の名簿の提出を義務付けている。そして、規約は、佐倉市の法人化の手引きによる「ひな形」に準じての改正が行われ、年齢は問わないので、赤ちゃんも構成員になれるといい、議決権は、構成員一人一票で、これは地方自治法で決まっている。となると、 意思表示ができない赤ちゃんになぜ議決権があるのかが第一の疑問だった。民法により親権者がその議決権を行使できる、ともいうのであるが、なぜそこまでして赤ちゃんを構成員にして、議決権を行使させなければいけないのか。選挙権のように、年齢制限を設ければ、その不合理は解決できると思うのだが、法律上、年齢制限はできない。 

 構成員になるかならないかは、個人単位なのだから、最初から構成員にならなければよい。世帯主による選択は可能だということは、臨時総会の質疑の中で確認された。総会参加者の一人は、子供の名前まで並べて、自治会の構成員にするつもりはない、提出する名簿の管理にも疑問を呈していた。世帯の中で、構成員に「なる」「ならない」の自由はあるのだから、少なくとも法律的に意思表示ができない家族を除く方が、住民の意思を反映するとい点では優れていると思う。 

 しかし、法人化を提案する執行部は、全住民のうちの三分の二を構成員とするためには、各世帯の全員が構成員となるよう、協力を求めていた。たしかに、自治会への加入率は、地域の高齢化に伴い、年々低下している佐倉市でもあるが、赤ちゃんを構成員にして加入率を高めて、どんな意味があるのだろう。 

 当地の従来の自治会は、各世帯全員が自治会会員であり、議決権は世帯で1票としていた。世帯内の意見の対立は当然予想できるが、それでも家族内での話し合いで、世帯としての意思決定、議決権行使が前提となっていた。これも、便宜上の「擬制」の一つであろう。それに比べ、年齢を問わず、意思表示の可否にかかわらず構成員になった以上、議決権があたえられるというのも、一種の「擬制」である。法人化後の自治会にとって、いずれが住民の意思がより正確に反映できるかといえば、私は前者の方が、ベターだと思ったのだ。

 

疑問2:総会に参加せず、議決権行使をしなかった構成員は、自動的に議長委任になるという 

 構成員全員の議決権行使を義務づけるということは、先の赤ちゃんの議決権行使をも前提とする法人化ルールと共通する考え方ではないか。いわゆる「棄権」、意思表示をしないことを選択する自由がないことになる意味を考えておきたい。例えば選挙権を行使しない「棄権」を認めないことと同じではないか。このように、法人化による自治会内の意思決定の安定性や効率性を優先することと、法人化本来の個人単位の自治会構成、個人単位の意思表示を重視する方向性とは、相反するのではないか。意思決定の安定性と効率化は、通常の世帯内の合意形成過程や自治会への主体的な参加意識を損ない、多数の言いなり、自治会役員主導、トップダウン、「おまかせ」や「あきらめ」を助長しないか、結果的に、自治会への無関心を助長することになって、自治会の「自治」の力を弱めることになるに違いない。

 

 私は、以上二つの理由を以て、今の時点での法人化には反対の意思表示をしたのだが、自治会世帯数約650中、臨時総会参加者50人弱であったが、参加者の中で反対は2名だった。不参加者の議決権行使により、執行部提案は、多数で可決された。一度の説明会もなく、班長さんたちも理解不足のまま、大事なことが決まってしまう、いまの自治会への不信感が強まった。少数者、少数意見が尊重されるべき地域社会において、本来の住民自治、行政からの自律から遠のくことのないように、暮らしていくにはどうしたらよいか。

 

 いまだに、疑問は去らず、市役所の人権自治課にも、問い合わせてみたところ、疑問の1については、制度上、たしかに問題はあるが、とりあえず、赤ちゃんはじめ意思表示ができない家族を構成員にしないという選択肢があるので~とのことであったが、制度改革への意欲は感じられなかった。 

法人化する自治会は、行政に構成員の名簿を提出し、規約を改正し、総会の議事録を提出する。これまでさえも、自治会等の行政の下請け機関的な要素が色濃くなる中で、住民の種々の要望を行政に的確に伝えるという自治会の重要な役目を十分果たせるのだろうか。自治会の意思決定の安定化、効率化を趣旨とする法人化によって、そのパイプは、劣化してしまわないのか、大きな不安の一つとなった。

 

なお、佐倉市の場合255の自治会・町内会があるが、法人化しているのは15自治会に過ぎないとのこと、。全国調査では、5%程度というのを聞いたことがある。あらためて、総務省に問い合わせたところ、一番新しい2013年度の調査で認証地縁団体としては44000が確認されているとのことで、自治会などの法人化は一割程度ではないか、とのこと。

「佐倉市 自治会町内会の法人化の手引き」↓

http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000004/4954/houjinkatebiki.pdf#search=%27%E4%BD%90%E5%80%89%E5%B8%82+%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%B3%95%E4%BA%BA%E5%8C%96%27

 

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2017年7月12日 (水)

自治会等からの消防団への寄付は、違法性が問われ、廃止の方向へ~迷走する佐倉市の対応に驚く~

 九州、福岡での水害では、懸命の救出作業が進む中、多くの犠牲者が出ている。災害時における自衛隊や消防団員の活動には感謝したい。今回は、消防団員の犠牲者も伝えられている。 

 その一方で、地域の自治会や町内会からの消防団への寄付が、いま問題になっている。当ブログでも四月上旬に、私の住む街での自治会の出来事に端を発して、消防庁や佐倉市に問い合わせたり、判例や各地の動向などを調べたりして、以下の記事を書いた。

 

消防団・社協・日赤などへの寄付を強制されていませんか~自治会の自治とは(1)(2)201749 

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-8f66.html 

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-7804.html

   

1.消防団への寄付について、ふたたび 

行政とのやり取りの中でも、疑問は解明できず、411日に佐倉市に質問書を提出していた。佐倉市の場合、「市長への手紙」や質問や要望に対する回答は、多くは、内容に実のない回答ではあったが、ともかく、回答は3週間をめどに、届いていた。ところが、今回は、数回の督促にもかかわらず、回答が届いたのは6月末日であった。2か月半以上かかってしまったわけで、担当の「危機管理室」の名とはあまりにもかけ離れているではないか。 

 私が、佐倉市長あての質問・要望書は、先の記事と重なる部分もあるが、その要点は、以下のようなものだった。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 

(質問)
 
.市内の各地域で実施されている「消防団への寄付」(協力金、後援会費等含む)は、以下の①②③の条文からして違法と思われます。「公務外の仕事に対して、各自治会などが消防団へ寄付することは、消防団への感謝や慰労の気持ちであって問題がない」とする根拠はなにか。以下の条文・判決内容に沿って回答願います。
 
①消防組織法第9条・15条:消防団は地方行政団体の行政機関である
 
②地方公務員法第63項の五:消防団員は非常勤の地方公務員である
 
③地方財政法第4条の五:割当的寄付金等が禁止されている
 
2010324日、横浜地裁の判決:
 

〇消防団員の慰労のために,市民等から寄附金等を受け取ることは,公務員が本来の職務やそれに関連する業務につき金員を受領しているとも受け取られる可能性があるから、決して好ましいものではない
 
〇消防団が,本来業務のほか本来業務との関連が疑われる活動につき,市民等から慰労などの趣旨で直接寄附金を受領することは、違法となる余地がある
 
⑤『消防団の概要』(危機管理室・消防団本部)では、
 

「4.消防団の仕事」に「(1)消防団員の身分・仕事・権限⇒[1]消防団員の身分⇒3.消防団員は社会に奉仕する団体である⇒②消防活動に対して何らの代価も求めない」とある。


 
2.消防団員が個人としてではなく、制服を着て、公務と類似の業務をすることは、外形上、公務とみなされ、団員たちの認識による判別には意味がない。さらに、前掲『消防団の概要』では
 

「4.消防団の仕事」に「(1)消防団員の身分・仕事・権限⇒[2]消防団員の仕事⇒2.災害発生時以外 ⇒ ①火災発生予防 ②警備警戒活動 ③教育訓練活動 ④機械器具等の点検」 

とあり、災害発生時以外の①~④の業務も「消防団の公務」とされている。消防団員としての地域での諸活動を「公務外の活動」とする理由は何か。

(要望)
 
今年度ないし次年度、直ちに実施できることとして以下を要望します。
 
1.消防団が寄付を請求するはもちろん、消防団が寄付を受け取ることも、法令に従って、禁止してください。あわせて『自治会長・町内会長・区長の手引き』における「消防団の後援会費」についての質疑を削除するとともに、自治会等と消防団の金品の授受の禁止を明記してください。
 
2.他の市町村の条例には、団員の「遵守事項」の一つに「金品や酒食の接待の請求や受けることも禁止する」主旨の条文があるが、佐倉市の「消防団条例」には示されていない。「遵守事項」として条例化してください。
 
3.同時に、まず慣例と実態を知ることが大事なので、佐倉市は、自治会等及び消防団において、消防団への寄付がどのように集められ、渡されているのかの調査をしてください。

 

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 2.消防団による祭礼の警備や野焼きや花火の監視活動は、公務か公務外か 

2か月半後、回答ではない中間報告が届き、そこでは、重大な訂正がなされていた。先の記事にも紹介した、電話でのやり取りで「消防団の地域での活動の中には公務外の活動もあって、それに対する自治会などからの慰労や謝礼の気持ちである寄付には問題がない」とする部分への訂正と思われる。詳しくは、添付資料Aを見ていただきたい。要は、「地域貢献活動として本来の業務以外である自主的な警戒活動をはじめとする地域の祭礼の警備、野焼きの監視活動などの『公務外の活動』に対して地域住民が『慰労や気持ち』として任意に支援しているものであり、市では関知することはできないもの」と説明したが、『公務外の活動』は、『公務の範囲』と訂正する、という内容であった。上記質問書の2.に応えたつもりかもしれないが、なぜ見解が一変したか明らかではない。

 

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資料A・中間報告↑

  これは、「公務の範囲」での上記のような活動に、地域住民の『慰労や気持ち』として任意に支援していることに市は関知しない、と読み替えなければならない。本来「公務」に従事する公務員に「慰労や気持ち」が入り込む余地はないはずである。寄付をする方も受領する方も、まさに刑事犯にあたる行為となる。佐倉市内でも、一世帯当たり千円単位で、自治会として数十万単位で消防団への寄付を強いられている地域もあり、これに関知しないということは、佐倉市自体も、行政機関「消防団」への「公務」に対する寄付は、受領するならば佐倉市への収入として処理していないことになる。   

 

「回答書」の文章をたどれば、そこにも大いなる矛盾が 

 6月末日にようやく届いた回答書は、添付資料Bをご覧いただきたい。その冒頭には、「消防団員が特別地方公務員であること、消防団が消防組織法に規定する行政機関であること、および地方財政法により割り当て寄付が禁じられていることは、事実ですが、これらの規定を踏まえても、当市の消防団への自治会等からの寄付が違法であるとの結論」には飛躍があるという。その次の文章は「自治会等からの寄付は消防団という組織に対する寄付であり、消防団員がこれを受領することはありません」とあり、「消防団という組織」は、回答書冒頭にあるように「行政機関」への寄付であることを明確にしている。飛躍でもなんでもなく、行政機関への寄付であることは、自明のことであるので、「ふるさと納税」のような制度がない限り、受け取ってはならない寄付であり、返還しなければならない性格のものである。 

 回答書にはさらに、消防団への寄付は、「自治会町内会等の自主的・自立的判断に基づく任意の自治活動であり」というが、行政機関たる「消防団」への寄付は、だれからであろうと、何の目的であろうと、行政機関の収入である。行政機関が、市の関知しない収入を得て、関知しない支出をすることは、ほかの行政機関を例に考えても、想定外であって、違法である。しかも、市は、当然のことながら、条例に基づいて、消防団の予算は約7000万円(うち報酬費約5000万円)、渡し切りの交付金も支払われ、消防団員は、特別公務員として、役職によって異なるものの、年間の一律報酬や出動手当、退職報償金なども支払われているのである。

 

 近年、消防団員の成り手が少ない自治体が続出して、消防団の機能が弱体化している例が多く聞かれるのも事実である。少子高齢化、地域の過疎化、地域共同体・家族の在り方自体が変容している中で、消防団制度を維持することに限界に来ているのは確かである。しかし、そのことと地域からの「慰労や謝礼」の印として「寄付」を合法化するのは筋違いで、別問題として考えなければならない。

 

 また、回答書に、寄付が割り当てられていない、寄付をしない自治会もある、ことが任意の証左といい、消火活動は寄付の有無にかかわらず公平に行っていることをもって、行政が関知しない理由としているようであるが、述べてきたように、要は、行政機関が寄付を受領していることの適法性を担保することにはならないだろう。

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資料B・回答書↑

 

 ともかく、佐倉市は、この件の実態を知りたくない、関わりたくないの一点での弁明、いささかあきれた対応が続いている。 

全国的な動向として、各地で、自治会等の寄付の在り方をめぐって、議論が起こっているし、消防団の寄付については横浜地裁の判例などがきっかけで、消防団への寄付を廃止する市町村も増えている。昔のムラ社会意識から抜け出せない佐倉市、後れを取らないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

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