2024年3月 5日 (火)

消防団はどうなる、どうする(2)各地の消防団で何が起きているのか

 佐倉市の消防団の何人かが、新年会かの帰りに酔っ払い運転で事故を起こしたという、なんとも“しまらない”一件を思い出す。だいぶ古い話になるので、ネットで調べても分からずじまいだったが。

 また、近所の中学校の校庭から、夏の夜遅く、何やらの掛け声が聞こえてくるので、不思議に思ったものである。後で、消防団の操法訓練と知った。消防操法大会というものがあってそれに向けての訓練で、たまたま帰宅が遅くなって中学校を通り抜けたとき、太いホースを走って巻いている姿に出会ったこともある。ご苦労さまと思う反面、消防団にまつわる問題も浮上してくる。

Img112
2023年7月30日、毎日新聞より

 見落としはあると思うが、この問題について熱心に取材を続けているのが毎日新聞ではないか。

手元のスクラップを繰ってみると

  • 記者の目(岡山支局 高橋祐貴)・私物化される「幽霊消防団員」の報酬 2019年1月11日
  • 消防「幽霊団員」9000人 昨年度活動ないのに報酬/報酬「中抜き」4割超 (本誌調査)旅行や接待費に流用 2020年12月28日
  • 消防団報酬不正「野放し」 新たな情報次々 不徹底な自治体調査・20人の通帳印鑑保管・団員に振り替え指示 2022年7月19日
  • なるほドリワイド・消防団の課題 2023年7月30日
  • 外国人消防団員 活動どこまで 2024年2月2日

 3番目までは高橋祐貴記者の記名がある。見出しを見ても分かるように、団員には自治体から年間報酬と出動による報酬とが各消防団に支払われている。これらをめぐって、団員数や出動回数を水増ししたり、団員への報酬を消防団が一括して受領し、それを飲み代や旅行代に流用する例や団員に渡った報酬の一部を再徴収して消防団としてプールしたりする各地の実態などが報告されている。
 こうした実態とマイナンバー制度の導入などに伴い、政府は、報酬の団員個人へ振り込みにするよう進めているが、徹底していない。

 人口17万、世帯7万9000の佐倉市の場合、以下2023年度(令和5年度)予算の数字である。
・一般会計:518億、消防費:29億2000万円
・消防費のうち常備消防(消防署関係):26億9000万円、非常備消防(消防団関係):2億4000万、消防団員701人(定員  805人)
・消防団員報酬(年額):団長156000円~一般団員36500円計2942万円
・災害出動(1回)4時間以上8000円、4時間未満4000円、他の出動1500円 計2538万円
・交付金(年額)本部54000円、分団45000円×7、部54000×52 (消防団は地区わりで、7分団、52部より構成されている)計380万円

令和5年度消防団の概要
https://www.city.sakura.lg.jp/material/files/group/48/R5syouboudanngaiyou.pdf

 自治体によって、数字は異なるのだが、佐倉市の場合は、消防費全体の約一割強が「非常備消防」に充てられている。かつては、多くの市町村で、地域の自営業に近い人たちが仕事の傍ら、消防団業務に従事していたが、現在は会社員など被雇用者が大部分であって、十分機能しなくなっている。そこで、無理やり入団させたり、団員数を水増ししたり、自治会から後援会会費を徴収したりして、飲食代などの慰労費にあてたりする不正会計、地域の有力者による旧態然とした運営が上記の報道にも垣間見ることができる。ちなみに、佐倉市は、昨年度より、団員の報酬は団員個人の口座に振り込むことにしたという。

 そもそも、消防団は、地域の事情に詳しい団員が、防火水槽や消火栓の確保、交通規制、住民誘導などが円滑にできることがメリットとされてきたが、現在は、昼間は地域を離れている被雇用者が増えるにしたがって、活動が難しくなっている。また、消防団員たちが、消防士たちの業務や活動を補完することによって、常備消防費を抑制してきたという。しかし、ここにも、近年の防災、災害救援における行政の対応を見てとれるようだ。

 最近の災害救助、支援において、消防士も足りず、消防団員も被災者であって活動が困難な状況を目の当たりにして、ボランティア的な消防団に頼るのではなく、自衛隊の災害出動を拡大活発にすることではないかと思うようになった。
「専守防衛」のためなどという絵空事に防衛力の拡充、防衛費に莫大な予算を投入するのではなく、目の前の国民の命と暮らしを守るための自衛隊、自衛隊というより災害救援のための訓練を重ね、充分な機材をつかいこなせる隊員を育てることの方が先決ではないか。

 殺傷能力のある次期戦闘機の共同開発に兆の単位の予算が投入されるという。被災地の復旧・復興のためにと称して、新年度予算の衆院採決を強行した政府だが、補正予算でも予備費でも対応できるはずである。裏金を全額拠出するだけでも、できることはいっぱいあるはずなのに・・・。

 

 

| | コメント (0)

2024年3月 4日 (月)

消防団はどうなる、どうする(1)消防団への「お礼」って

 少子高齢化社会に加えて、コミュニティの衰退が進むなかで、近年、消防団の在り方が問題になることが多い。
 一つは、消防団員の減少と高齢化が進み、後継者の確保が困難になっているが、ざっくり言えば1950年前後200万人いた消防団員が1980年代には100万に、2022年4月1日現在、78万3578人までに激減している。消防団の担い手の確保が困難なっていることである。また近年は、消防団の任務自体も消防活動よりも災害出動の方に重点が移りつつあることである。

 私が消防団に関心を持ったのは、7・8年前に、順番に回って来る自治会の班長になって、自治会の決算書をよくよく見てみると、いつのまにか、消防団協賛金2万円という支出が続いているのを知って驚いたからである。
 というのも、もう四半世紀も前になるが、私たちの自治会では、当たり前のように、日赤の社資、社協会員、共同募金等にかかる「寄付金」を、班長がそれぞれ500円の領収書をもって集金していた。いずれへの拠出金は、寄付であって、強制的に集めるものではなく、自由じゃないのか、と疑問視する会員も多かったのだろう。私を含め主婦たちが、自治会の役員10人の半分ほどを占めることになって、集金をやめて、自由意志によるものとする提案をしたところ、班長の負担軽減にもなるというので、班長会ではすんなり承認された。ただ、自由な寄付金をどう集めるかが問題となったが、A4の茶封筒に小さめの切れ目を入れて、そこへお金を入れてもらい、手渡しで、回してもらうことになった。二十数年たった現在もその方法は踏襲されている。
 なのに、消防団協賛金という名目で、支出されていたのである。2017年になるが、佐倉市の自治推進課と危機管理課と何回か電話や文書でやり取りしたことは、以下のブログでも書いている。

防団・社協・日赤などへの寄付を強制されていませんか~自治会の自治とは(1) »
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-8f66.html

消防団・社協・日赤などへの寄付を強制されていませんか~自治会の自治とは(2) »
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-7804.html

 そこでわかったことは、消防団員は、非常勤地方公務員なので、消防団は寄付金を求めてはいけないが、協賛金、後援会費などは、自治会と消防団との間のことであり、佐倉市は関知しないとの一点張り。また、自治会支出の消防団協賛金は、地域の商店会・自治会連合体共催の夏祭りの警備のための謝礼とわかった。
 そこで、危機管理課に、祭りのときに制服を着て警備にあたっている以上、地方公務員として謝礼を受け取っているのは寄付にあたりませんか、の質問には、地域住民による自治会が、警備等のお礼の「お気持ち」であって寄付とは言えないとの説明だった。 
 この見解は、今でも変わらず、以下の「自治会等役員の手引き」では、「労をねぎらうために支援をされているもの」「消防団を支援しようという地域の厚意による任意のもの」との説明がされている。

(Q)消防団の後援会費というのはどういうものなのですか
(A)後援会費につきましては、地域の方が、同じ地域の中で、仕事を持ちながら消防団活動に従事されている方々の労をね     ぎらうために支援をされているものと考えます。

(Q)消防団の後援会費は絶対に支払わなければならないのですか
(A)あくまでも消防団活動を支援しようという地域の厚意による任意のもので強制・義務的なものではありません。 また、消防団は市内の全地区を管轄しており、後援会費支払いの有無に関わらず、火災発生時には、必ず出動いたします。

<佐倉市の消防体制>令和5年度自治会等役員の手引き(自治会活動Q&)
https://www.city.sakura.lg.jp/material/files/group/16/yakuintebiki.pdf 
42-43頁

 佐倉市の見解では、地方公務員はその業務について、地域住民から「労をねぎらうため」「厚意による任意」の金銭を受け取ってもなんら問題もない、ということになる。
 一方で、以下の「自治会等問題解決の手引き」では、「募金を自治会費にあらかじめ上乗せして集めること」について「募金の一律収集は注意が必要です」の見出しで「募金を自治会費に上乗せして集める場合は注意が必要です。募金を自治会費に上乗せして強制的に徴収するとした決議は無効であるとした裁判例があります。」と注意を促している。この文言は、令和3年度の手引きには「自治会費からの寄付金や募金等を出すことは危険です」と言って裁判例の説明が続いていた。「危険」から「注意」への変更は何を意味するのか。私には、寄付金等の一律徴収の違法性からの一歩後退にしか思えなかった。

 いま、私にとって、自治会は遠い存在になってはいるが、消防団協賛金、夏祭り参加費、防犯活動をしているNPO法人の会費が自治会財政からの一括納入になっている件ついて、会員の自由意思にゆだねるべきもので、こうした種類の募金・寄付は拡大する危惧があるので見直しをと、何回か自治会執行部に要望書を提出してはいる。しかし、なしのつぶてだったり、近隣自治会、地域住民との関係上必要との回答だったりしている。

皆さんの自治会では、どうなっていますか。

<募金の収集で悩んだら>自治会等問題解決の手引き(事例方式による問題解決の参考)
https://www.city.sakura.lg.jp/material/files/group/16/tebiki_mondai_2022.pdf  28頁

 その裁判例というのは、自治会決議による募金及び寄付金の徴収は「会員の生活上不可欠な存在である地縁団体により、会員の意思、決定とは関係なく一律に、事実上の強制をもってなされるものであり、その強制は社会的に許容される限度を超えるものというべきである。したがって、このような内容を有する本件決議は、被控訴人の会員の思想、信条の自由を侵害するものであって、公序良俗に反し無効というべきである。」(大阪高裁平成 19 年 8 月 24 日、最高裁上告棄却)

  さらに、最近は、消防団内部の運営・会計における不正、脱法が問題になっている。(続く)

Photo_20240304014001
きのう、買い物帰りに、一本違う道を抜けようとすると、広い庭のお宅の門近くの樹にハシゴをかけてを剪定しているのに出会った。見上げると黄色い花をいっぱいつけていた。「立派ですね、なんの木ですか」と尋ねると「ミモザ」という。ミモザってこんな大きな木になるのか、とびっくりしてしまった。灌木のイメージが強かったのだが。道に落ちた枝を拾って「いい香りもしますね」「お持ちになりますか、どうぞ」ということで一枝いただいた。3月8日は国際女性デー、ミモザの日だそうだ。

 

| | コメント (0)

2022年6月19日 (日)

今、「自治会と寄付金」はどうなっているのか~日赤、社協、消防団、地域の祭り・・・、佐倉市は?!

 定着しつつあった「寄付は個人の自由」

 昨年度、十数年ぶりで、地域の自治会の班長の役が回ってきた。コロナ禍のため、活動は極端に縮小し、月一回の班長会の参加とそのときに手渡される会報と行政からの配布や回覧物を班の人たちに届けるのが仕事だった。
 その中には、日本赤十字社、市の社会福祉協議会への寄付へのお願いのチラシと当自治会が用意した集金袋もある。当ブログでも、相当しつこく?自治会が会費以外に、他団体への寄付を募るのは違法だと言い続けてきたし、もう20年前にもなろうか、私が自治会長を務めていたとき、役員会での協議の末、班長の戸別訪問による一律500円会費(日赤の場合は「社資」)の集金を廃し、自治会員の自由意思による寄付ということで、集金袋の回覧方式に変更し、定着しつつあった。
 私たちの自治会では、集金袋を回す際に、集金袋には、寄付は強制はでなく自由意思によるもので、会費(社資)として一口500円以上収める者は小袋に住所氏名を記して入れることになり、領収書は後で発行、届けるという仕組みとなって久しい。何回か当ブログでも紹介したが、その上、近年には、自治会長名による「補足説明」が集金袋といっしょに回覧されるようになり、寄付は自由意思によるとの念押しもされて、「進化」してきたなと思っていた。私としては、さらに自治会が「募金」に協力すること自体、止めにして欲しいと願うばかりなのだが。
 さらに、いつからか自治会が拠出するようになった「消防団協力金」、また、地域のNPO法人となったボランティア団体へ団体会員として納めている会費、地域の商店会などによる広域の祭りへの協力金が自治会財政から支出されていることも気になっている。これまでも、消防団員が特別地方公務員であることからその違法性が問われ、あとの二者についても、会員の意思にかかわらない自治会としての支出は、適切ではないとする意見書や要望書を佐倉市や自治会にも提出してきたが、改まる気配はない。

 先日、佐倉市が、毎年、年度初めに、市内の自治会長、町内会長・役員を集めて実施する説明会に配布する「自治会等役員の手引き」を、久しぶりにホームぺージで確認したところ、「手引き」の曖昧な文言は、相変わらずではあった。ところが、これはいつからホームページに載せるようになったのか不明だが、問答式の「自治会等問題解決の手引き」というものが掲載されていた。「令和3年4月改訂」版に「募金の収集で悩んだら・・・」①という頁に行き当たった。拡大して読んで欲しい。

朱文字で、コピーしてみると・・・。
=======================


2021_20220619010201

問 募金の収集で悩んだら・・・
事例 (前略) A自治会長は、募金を自治会費にあらかじめ上乗せして集めることを考え、総会にかけることとした。
一つの解答案
1.募金の一律収集は危険
 自治会費から寄付金や募金等を出すことは危険です。寄付金や募金は、本来、個人の自由な意思のもとに行われるものです。一方、自治会費は、会員に対して金額の差が生じる場合があっても会員であることを理由に一律に課されるものです。特に事実上自治会が抜けられない等の状態にある場合には、思想・信条の自由を侵害する可能性が高まります。この様な募金の収取を定める総会決議は無効となる可能性が高いです。

裁判例としては以下のものがあります(略)

2.会費からの募金への振り替えも危険
 上記の裁判例の趣旨は、一律徴収というやり方の問題ではありません。また、自治会からの制裁的な対応があることを問題にしたものでもありません。ポイントは会員の意思に反するような方法で募金を集めてはいけないということです。したがって、会員の同意もなく自治会費の一部を募金へ流用してしまうようなことも危険です。
=======================

 上記の文書①「1.募金の一律収集は危険」の後略部分の「裁判例」は、2008年8月31日最高裁決定により上告棄却となったので、大阪高裁2007年8月24日確定した判決の要旨である。判決文というのは、いつ読んでも、何回読んでも、意味がとりにくいし、判決独特の言い回しがあるので、まさに要注意なのである。とくに、佐倉市が要約した上記下線部分「一方、自治会費は、会員に対して金額の差が生じる場合があっても会員であることを理由に一律に課されるものです。」などは、どういう状況を指しているのかわかりにくい。しかし、見出しは「募金の一律収集は危険」と警告しているのである。
 また、「2.会費からの募金への振り替えも危険」の下線部分以降の「ポイント」部分は明快だが、前段は、「一律徴収も可」、「自治会の制裁的な対応も可」とも読めないか。しかしここでも、会員の意思に反する方法での募金集め、「自治会費の募金への流用が危険」であることを警告していたのである。これまでの、「手引き」などでの曖昧表現や文言に比べると、ともかく「募金の一律徴収」と「自治会費の募金への流用」が自治会としては危険なことを明言するようになったとの感慨もある。

 佐倉市は、なぜ後退したのか

 ところで、この記事を書くにあたって、もう一度、市のホームページににアクセスすると、6月1日付で、「自治会等役員の手引き」の令和4年度版と「自治会等問題解決の手引き」が掲載されていた。あらためて、両者の必要個所を確認してみると、前者の「手引き」の内容は前年度とほとんど変更はなかった。後者の「問題解決の手引き」の表紙には「令和3年4月改訂」と記されていたので、これも昨年度と変わりはないだろうが、念のため、同じ28頁の「募金の収集で悩んだら・・・」②を見ると、設問も変わりがないまま、下記のように変更されていたのである。

 裁判例はまったく同じながら、その前後を拡大して読み比べて欲しい。
=====================

2022

一つの解答案
〇募金の一律収集は注意が必要です
募金を自治会費に上乗せして集める場合は注意が必要です。募金は自治会費に上乗せして強制的に徴収するとした決議は無効であるとした裁判例があります。

裁判例としては以下のものがあります。(略)

〇自治会内で募金について様々な意見が出た場合
募金は任意であり、強制力を伴わないものです。会員から募金について様々な意見が出た場合は、総会や役員会等で十分話し合ってください。
=======================

 最初に、ホームページで閲覧した日は、何日だったのだろう。5月下旬だったようにも思う。「問題解決の手引き」の方は「令和3年4月改訂」と銘打って、何の変更もないような体裁ながら、少なくとも、28頁に限っては、重大な改変がなされていたのである。昨年度の「警告」は何であったのかの思いが強い。「警告」は、いつの間にか?実にどうともとれる短い文章に変更されていた。「自治会と寄付金」の佐倉市のスタンスは確実に後退したのである。昨年度分も、一昨年度分も、過去のものはホームページ上では確かめることができない。これって、もしかっしたら、公文書改ざん?!

 一律に集めて欲しい、上乗せして集めて欲しい募金団体からのクレームでもついたのか、そうした団体に関係のある会員のいる自治会やいささかでも手間が省けると考えた自治会役員たちから抗議があったのか。いや、行政内部で異議が出たのか・・・。

Img312_20220619014201 
上記は、拙稿「私の視点/自治会と寄付金~一律集金に異議を唱ええよう」『朝日新聞』2014年3月17日。2016年には、TBS『白熱ライフビビット』の「自治会特集」コーナーに出演?したり、『朝日新聞』の「自治会は、今」シリーズの取材を受けたりしました。

なお、当ブログの関連記事の主なものをまとめてみました。その他の関連記事は、ブログのカテゴリー「寄付・募金」の検索で見ることができます。

自治会費からの寄付・募金は無効」の判決を読んで―自治会費の上乗せ徴収・自治会強制加入はやっぱりおかしい(2007年8月31日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2007/08/post_6d09.html

赤い羽根共同募金の行方~使い道を知らずに納めていませんか1~3(2009年12月7日、9日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-2f90.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-dd38.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-8c19.html

自治会の募金・寄付の集金の問題点~やっぱりおかしい、全社協や共同募金会の考え方(2010年11月8日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2010/11/post-1838.html

消防団・社協・日赤などへの寄付を強制されていませんか~自治会の自治とは(1)(2)(2017年4月9日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-8f66.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2017/04/post-7804.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2010/11/post-1838.html

赤い羽根共同募金」の使い道、ふたたび(2019年10月2日)

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/cat20187440/index.html

| | コメント (0)

2021年11月 3日 (水)

退職シニアの「地域デビュー」~長い話はまっぴらです

 『朝日新聞』の日曜日に「男のひととき」という欄がある。伝統ある女性の「ひととき」の男性版である。最近、「地域デビュー」と題した投稿が目についた(10月24日)。72歳の男性が、一念発起して自治会の役を引き受けて、広報担当にでもなったのだろうか。型通りの会報の回覧版を工夫すると、ご近所さんから声をかけられたり、仲間を募りハイキングを楽しんだりして、地域デビューを実感しているという主旨だった。

 この方の場合は、穏やかな地域デビューのように見受けられたが、なかには「老害」とも思えるような振る舞いをする人たちがいる。これは男女、関係がないようだ。
 かれこれ、20年前ほど前のことになるが、私たちの自治会は、500世帯規模ながら、長い間同じ人が自治会長を続け、その“お友達”で役員を固め、総会も名ばかり、かなり杜撰な運営が続いていたらしい。もちろん、そこには女性の名はなかった。いわば「オヤジサロン」だったのである。その自治会から、突如、新しい自治会館の建設費用が足りないから、一世帯3万円を徴収するとの回覧が回ってきた。会館の用地も、設計図も、建設費もその全容がほとんど知らされていなかったこともあって「どうして、3万円?おかしくない?」という、ご近所の女性たちが、異議を唱え、署名を集めているのを知って、私たち夫婦もその活動に参加した。当時、「3万?ゴルフの1回分じゃないか」という男性役員の言が物議をかもしたりしたが、会館建設は臨時総会の圧倒的多数で中止となった。 
 それからは、私自身も、自治会役員、会長、地域の開発をめぐっての対策委員、防災委員、通学児童の見守りなどの自治会活動に従事してきた。この数年は、総会に出席する程度だったが、その総会も、コロナのため書面によるものとなった。その矢先、今年度、班長の役が回ってきたので、冒頭の投稿にも気づいたのかもしれない。
 この間、多くの地域男性、シニアと一緒に仕事をしてきたことになる。地域の自治会の20ほどを束ねた連絡協議会というのがあるのだが、そこへメンバーとして出席をしようとしたところ、「あんたが来ると、面倒なんだワァー」と面と向かって言われたことがある。その連絡協議会は地域の開発業者の下請け機関の様相を呈していた時代である。また、私たちの自治会には、防災委員会というのがあるのたが、東日本大震災の際、ほとんど機能を果たさなかった。私は友人に誘われて、防災委員になって、驚いたことがある。従来からの女性委員が、会議の始まる前に集合して、お茶や茶菓子の用意をしていた。そして忘年会の会費まで委員会の予算から出ていることも知った。友人と二人で、思い切って異議を唱え、改まったこともある。 ともに活動してきた男性たちの中には、現役時代の肩書や体験をかざして、行政や開発業者と交渉に及んだりする。ともかく話が長い、場所を“わきまえない”発言が延々と続き、イライラすることもあった。いまだに「報・連・相」とか「破れ窓理論」を説いたりする。
 最近は、団塊の世代の高齢化に伴い、やや若い第二のお勤めシニアや現役世代の男性たちが役員やリーダーを担うことも少なくない。すると、判で押したように、「会則」なるものをイジリ始め、そして新しいことを何かやり始めたいらしい。
 たとえば、少子化が進む中なので、自治会の会員世帯で赤ちゃんが生まれたら「誕生祝い」を出したい、地域であたたかく祝ってあげたいものだとか、会員による地域に寄与するグループ活動や趣味のサークル活動に助成金を出して、地域の活性化を促したいとかが提案され、前者は、生む・生まないは個人事情によるものだから祝い金はなじまない、里帰りして出産した場合はどうするかなどの意見が出て、沙汰ヤミになった。後者は、自治会会則まで改正したが、それ以来一件の申請もないというのが現実である。
 さらに、自治会の役員などを経験すると、退職の前後にかかわらず、<地域の活性化を目指して>行政が推進する「自治会協議会」「まちづくり協議会」、NPO法人の立ち上げなどに参加、その中心に収まりたいらしい。いまだにおなじみの人間が会長に収まったりしているのを会報などで知ることになる。それも、イベント写真満載だけの“会報”だったりする。
 そんな現状を前に、なまっじか地域に“貢献”していただかなくとも、放送大学に入学したり、俳句やカメラ、ゴルフなど趣味の世界や同窓会活動、あるいは孫育てなどに没頭したりして、力を発揮していただけないだろうかとも思う。
 また、現役時代にあっても、地域の問題や回覧板には見向きもしない「世帯主」が、家の前にマンションが建って日陰になりそうになったり、宅地造成の振動で家の壁にひびが入ったりすると、俄然、頑なに絶対反対を叫ぶことになったりする。

 「地域デビュー」「公園デビュー」「PTAデビュー」などとはいわず、ふだんから地域の問題に目を向けて、家族やご近所とコミュニケ―ションを取っておく必要があるのではないか。回覧板のみならず、自治体の広報や議会報告などのも目を通しておくことが重要ではないか。これは男女を問わないだろう。私の現役時代の自戒をこめていうならば、家事や子育てに精一杯だったし、ご近所とは生協の班会、娘のソフトボールチームのお母さんたちとの付き合いぐらいだった。地域や自治体の一員として自覚は、たしかに希薄だったのである。

 

 

| | コメント (0)

2021年4月20日 (火)

自治会、住民の高齢化とコロナ禍の中で、どうなっていくのか

 新年度、自治会の班長の番が回ってきた。私たちの自治会は、かつての新興住宅地、三つの丁目が併さっての650世帯、35班ほどがある。私たちの班は、17世帯。かつては20数世帯だったのが、ぽつぽつと自治会自体を脱ける世帯も現れた。そして、高齢化に伴い、さまざまな事情で、班長は引き受けられないという世帯が数軒あって、回ってくる順番が少しづつ早くなっているのは確かである。 
 三月の末、まず、新年度の班長会があり、10人の役員を選んだ。班長は何とか引き受けられるが、役員はどうしても引き受けられないという世帯と過去に役員をしている世帯はパスできるというルールがある。我が家は、十年前に、班長から役員にもなっているし、今世紀?初め前後に、夫婦のどちらかが会長や役員をしていた時期があったので、もちろんパスをした。私たちの丁目には14班あって、世帯も多いので、5人の役員を出すことになっていた。役員は引き受けられないという理由をめぐってはひと悶着あったが、先のルールで半分の7世帯が役員候補から外れ、7世帯から5人の役員を出すという厳しいことになった。あみだくじで5人が決まり、ほかの丁目も同じように決まったらしい。あわせて10人、住民 の世代交代もあったのだろうか、比較的若い世代の方、女性も多く、一安心であった。 
 その後、役員の担当も決まり、役員選出の班は、新たな班長も決まり、最初の班長会が週末に開かれた。班長35人と役員10人が集まるのだから、三自治会共用の狭い自治会館では、「密」ということで、前回の役員決めの班長会と同様、近くのコミュニティセンターの大会議室での開催であった。机も並べず、椅子だけでも、かなりの「密」となった。昨年度は、流会となった班長会もあったらしいが、丁目ごとに3回に分けて自治会館で開いていた。役員は3回、同じことを繰り返さなければならず、かなりの負担であったろう。さらに、昨年度は総会も書面だけの評決だったし、防災訓練、餅つき大会、福祉まつりなどが中止だったし、側溝清掃も延期になった。広域で行われる地元の祭りが中止になったのは、各自治会の負担が大きかっただけに、かえってよかったのではないか。今年も中止ということなので、私個人としては、自治会の祭りへの自動的な参加は、ぜひ見直してほしいと思っているところである。

 今回、これからの班長会の会場をどこにするかが議題となった。3回に分けてとなると役員負担は大きい。コミセンにすると、歩いたら20分以上はかかるので、やや遠いのが難点だが、一堂に会する班長会となり、駐車場も広いというメリットもある。車のない我が家では、往復400円のモノレールを利用しなければならない。雨さえ降っていなければ、自転車 ということも考えられるが、夜間となると、少し不安でもある。自治会費3500円よりかかってしまう。自治会活動はボランティアには違いないが、思いはやや複雑。車の人はガソリン代がかかるとも言っていたが、これももとをただせば、新型ウイルスの感染を抑え込めなかったためだろう。 
 また、近く の公園に二つ目の自治会館が立つ計画があるのだが、なかなか進まない。開発業者の協力も得られず、当初は、用地難であったが、三自治会による建設委員会と市役所公園緑地課との交渉でようやくたどり着いたのが公園内の建設だった。ところが、公園と接する自治会に反対する会員がいるということで市役所は及び腰になったらしい。市役所は、自治会の法人化と引き換えに、公園内建設を認めたフシもある。私は、自治会の会員として赤ちゃんにまで、議決権があるとする法人化が自治会本来の姿なのか、弱体化、形骸化につながる のではないかと考えているので、なおさら心配でもある。今年度に何とかしないと、市からの建設費補助が出ないことになってしまい、建設が見送りになったら 、元も子もなくなってしまうのではないかと。近い公園に新しい自治会館が欲しいという願いが、早く実現するよう、班長としてできることがあれば、努力もしたい。 
 
自治会の様子も、いつもよりはわかる、せっかくの機会なので、自治会のレポートも続けたいと思っている。なにせ、私のこのブログで、常にアクセス数が多いのは、記事としてはかなり古いのだが、自治会の社会福祉協議会、日本赤十字社などとの関係、とくに寄付、募金の可否に触れた記事、開発と環境、街づくりに関する記事なのである。自治会の、古くて新しい問題でもあるのだと思う。

20214_20210420131301
今年もウラシマソウが健在である。写真下の、紫の可憐な花はなんだろう、図鑑と首っ引きで調べてみたが、エンゴサクのなかま?か、わからなかった

 

| | コメント (3)

2020年3月14日 (土)

自治会総会も中止~議決は書面になる中、自治会を考える

 Img_0131

イチジクの木のもと、白いラッパ水仙に続いて、ニホンズイセンがいっせいに、花をつけた。

 

 今日、冷たい雨の中、町内自治会のパトロールに参加した。650世帯40班近い班が各丁目ごと、3コースに分かれての月一のパトロールなので、2年間に1回くらいの割合で回ってくる。班の人たちと顔を合わせるのは、年間を通じて自治会館清掃、年末清掃と総会くらいなので、なるべく参加するようにしている。今年は、なんと、その年度末の総会が中止で、書面での議決だけになるそうだ。新型コロナウィルスの影響はここまで来てしまった。 

 その情報も、パトロール中に今年の班長さんから伺った。まだ総会資料も届いていない。パトロールに参加したのは、現班長夫妻、次期班長夫妻と去年の班長、再来年の班長予定?という私の4世帯6人という班長つながりとなった。かつて、この班は22世帯の時代もあり、参加者も多く、二手のコースに分かれてパトロールしたものである。今は、退会した世帯も多く寂しい限りであった。

 私たちの住む町も高齢者世帯が激増、自治会の役員どころか、班長のなり手を決めるのにも難しくなった。一人暮らしの高齢者、高齢者夫婦、高齢者介護に難渋している世帯にとって、会費集め、月1回の班長会議と会報などの配布・回覧、年間行事などでの役が負担だという。我が家もまぎれもない高齢者世帯ではあるが、体が動くうちは、班長くらい勤めたいと思っている。

 私は、自治会の仕事は、スリムに、スリムにと考える。行政は、自治会の法人化、街づくり協議会の結成などを促進しているが、この実態をみてみると、地域をなるべく大きく束ねて、助成金などにより、本来行政の仕事を丸投げしているように思えるのだ。住民による自治会は、行政の下請け組織ではない。市の資料配布、半官半民の位置づけとしている社協・赤十字・消防団などの募金集めなどは、本来、自治会の仕事ではない。

 地域の自治会の役割は、高齢社会にあってこそ、大事になってくるのではないか。とくに、高齢者に対する災害時の具体的な対策は手つかずのまま、「自助」を触れ回る行政、日常的にも、かつてのニュータウンの住民は、免許返上者が増える上、大型商業施設による近隣商店の撤退、クリニックの閉院、病院の統廃合などによる、交通難民、買い物難民、医療難民となりつつある。地域を問わず、「限界集落」と呼ばれて、不自由な生活を余儀なくされる人々も増える。その一方で、国の防衛費は、年々増額の一途をたどり、大企業の内部留保を放置のまま、法人税は値下げする。全世代型福祉と称して、高齢者の年金、医療、介護、生活保護の抑制をはかり、まさに弱者切り捨て政策を進めている。高齢者を支えるべき若年層は、非正規雇用で不安定な生活を強いられている。そんな中で、地域で、自治会で、できることは限られるが、せめて、隣ご近所が顔見知りになって、あいさつや世間話をすることから、情報交換や困りごとを集約、個別の問題であっても、自治会として行政に要請し、一つ一つ解決してゆくことができるのではないか。

 パトロールに参加した、小学6年生のお母さんは、近くの小学校の卒業式は在校生不参加ながら実施され、保護者も参加できることになったと話していた。そういえば、今週の12日には、近くの中学校の卒業式が終わったところに通り合わせた。卒業生も保護者も体育館前のあちこちで、「濃厚接触」ながら、マスク姿で名残惜しんでいるようだった。

Img_0133
昨秋は、一株のススキに癒されたが、その傍らには黄水仙のつぼみがつけた。

 集団感染の元、「クラスター」の特定も大事ながら、すでに、院内感染、職場感染、家庭内感染、市中感染が広がる中、一人でも、早く感染者を見極めて、拡大を阻止するには、実質的な検査件数を拡充する体制が重要だと思うのだが。

政府は何をやってんだか・・・。情けない。

 

 

 

| | コメント (1)

2019年10月 2日 (水)

10月1日、「赤い羽根共同募金」の使い道、ふたたび

 当ブログをおたずねくださりありがとうございます。昨日10月1日から、赤い羽根共同募金運動が始まりました。共同募金って何?という関心を持つ方や自治会や町内会で、募金集めをする羽目になった方、募金を迫られた住民の方々からのアクセスが重なったのだと思いますが、いつになく、にぎわって?います。
  なかでも、10年ほど前の「赤い羽根共同募金の行方~使い道を知らずに納めていませんか1~3」へのアクセスが多かったのです。関心のある方はご参照ください。最近は、やや遠ざかっているテーマですが、自治会や町内会へ要請される種々の寄付が、会員への強制になっていないかについて書いた記事などへのアクセスも多くなっています。

*赤い羽根共同募金の行方~使い道を知らずに納めていませんか1~3
(2009年12月7日、9日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-2f90.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-dd38.html

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2009/12/post-8c19.html

 基本的には、記事を書いた当時の状況は、現在と大きく変わることはありません。私の住む佐倉市の私が属している自治会では、これまでも何度か紹介しているのですが、社会福祉協議会会費、日本赤十字社社資、いくつかの募金については、寄付をするか否かの自由、いくら寄付するかの金額の自由をとりあえず確保するということで、自治会の班単位で、手渡しの募金袋を回し、定着しかけています。寄付というならば、私は、個人の自由意思によることが基本と考えていますので、自治会・町内会への寄付依頼自体がなされてはならないものと考えています。自治会の中途半端な対応には不満もあるのですが、脱会などは考えず、総会などの機会に、「寄付は個人の自由」の観点から意見を言い続けていきたいと思っています。ご参考までに、9月下旬に我が家に回ってきた「募金袋」です。

Img303-1

 ちなみに、久しぶりに、中央共同募金会のHPを訪ねてみました。敗戦直後の1947年から始まった共同募金ですが、つぎのようなグラフがありました。余分のことながら、この間まで、中央共同募金会の会長を務めていたはずの高校同期の元参議院議長が、「顧問」になっていました。天下り?名誉職?なのかなあ。

*中央共同募金会統計データ
https://www.akaihane.or.jp/bokin/history/josei-data/

Img303
敗戦直後の混乱期に発足してから、2017年には、70年になった。阪神淡路大震災までは、ある程度着実に募金総額は伸びているが、その1995年の266億円をピークに、減少の一途をたどり、2017年には179億円となった。その間、2011年の東日本大震災ほか、数々の事故や災害に見舞われたが、増えることはなかった。「共同募金」という寄付ではなくて、特定した災害の義援金などの形で、目的の明確な、かつ自発的な様々な募金活動やボランテイア活動の方が定着しつつあるのではないか。

 千葉県共同募金会のHPでは、自治会では、すでに回覧された2019(令和元)年度の募金のお願いとお礼のパンフが、まだ掲載されていない。前年度のパンフのままで、更新されていないことがわかった。といっても、今年度の手元のパンフと比べてみると、変わっているのは、「募金の使い道」の円グラフの数字が異なるだけで、目標額も二年連続して7億円と同額で、さらに、パンフの文章が一字一句まるで同じで、前年度のコピペだろう。熱意も誠意も感じられない仕事ぶりとみてしまう。

Img305

自治会からの回覧パンフから千葉県共同募金会のHPには、まだアップされていない!

 千葉県共同募金会佐倉市支会のHPはどうでしょうか。独自のHPは持っておらず、佐倉市社会福祉協議会が支会の窓口となっています。佐倉市の社協は、民間の社会福祉法人ですが、市役所内に設置されています。この自治体との関係にも、社会福祉行政のゆがみのひとつがあるように思います。

Img304

10月1日新聞折り込み配布の『社協さくら』の1面が、「赤い羽根共同募金」の広報であった。

<参考資料>

*(千葉県)共同募金概要

https://akaihane-chiba.jp/publics/index/3/

*はねっと佐倉市(共同募金の使い道)

https://hanett.akaihane.or.jp/hanett/pub/homeTown?data.jisCd=12212

 

| | コメント (0)

2019年5月25日 (土)

自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(3)日赤と皇室の関係も改めて考えたい(続)

 日本赤十字社には、年間にして、どのくらいの社資が集まっているのだろうか。平成29年度(2017年度)で日赤本社、千葉県支部、佐倉市地区の単位で調べてみると・・・。

 いずれも決算が出ている平成29年度の数字である。佐倉市地区に関しての歳出歳入などの詳細な数字は、公開されていないことがわかった。

・佐倉市地区では臨時職員を一人置いて、社会福祉課地域福祉班職員がその事務を行っている。なぜ、地方公務員が日赤の業務を行わなければならないのかも大いなる疑問である。佐倉市で集めた社資や寄付金はすべて県支部に送り、県は、毎年、全体の11%ほどを市町村に還元していることがわかった。かつては2200万以上の社資や寄付金が集まっていたが、いまは、1700万円台を推移しているようだ。人口減や自治会組織率が低迷していることも大きく影響しているだろう。

・千葉県支部では、歳入の77~78%が社資となる。前述のように歳出の11%は地元還元、13%程度が日赤本社に収められている。いわゆる運営費は、管理業務、各事業共通管理運営費などを併せてみると1億5000万円前後、歳出総額の20%程度を占める。

・一方、日赤本社では、一般会計歳入の三分の二が社資である。これが、年々確実に減少しているので、広報に努めるとしているが、足元の、地元での社資の集め方に、「自由意思」を標榜しながら、「強制」が伴っている現実を直視し、改革しなければならないはずだ。一般会計歳出を見ると、人件費・事務費などの科目では出てこない。各事業の中に組み入れているのかはわからない。総務管理費45億と、資産管理費12億などを合わせると運営費ということになるのだろうか、20%前後になることがわかった。なお、病院、血液、福祉事業は独立の特別会計とし、退職給与資金特別会計では、平成29年度は288億の積立金、264億の交付金、基金残高は465億を超えていた。

 災害への義援金は、運営・事務費などは差し引かないということであった。団体や個人からの義援金の受け皿になっているのが日赤だといえる。そもそも、戦場で、敵・味方なく負傷者の救護にあたった「博愛」精神を社是とする、1952年に厚生省の認可法人となった民間団体である。現代にあっては、政府を、国を、ひたすら「補完」するのではなく、本来の寄付文化を育て、根付かせてほしいと、願うばかりである。さらに、皇族たちの名誉職は必要なのだろうか。しかも「公務」というではないか。

日本赤十字社HPより作成

一般会計歳入決算のあらまし(平成29年度事業報告及び歳入歳出決算概要・一般会計)

・歳入総額  312億円(←平成28年度351億円)

 社資収入  209億円(←平成28年度228億円)

日本赤十字社千葉県支部HPより作成

千葉県支部の事業・活動(平成29年度事業報告書)

・歳入総額  763,166,654円(←平成28年度783,331,516円)

 社資総額  586,181,949円(←平成28年度613,994,940円)

佐倉市のHPより

平成29年度赤十字事業資金(社資)募集実績報告

・社資総額   17,531,766円 (←平成28年度17,864,541円)

 一般        16,913,966円 (←平成28年度17,249,341円)

 法人          617,800円 (←平成28年度   615,200円)

 皆さまからお預かりした赤十字活動資金(社資)につきましては、全額を日本赤十字社千葉県支部へ送金を行いました。

<問い合わせ>
 日本赤十字社千葉県支部 電話:043-241-7531
 日本赤十字社千葉県支部佐倉市地区 電話:043-484-6135
 (佐倉市福祉部社会福祉課地域福祉班内)

 

 

 

| | コメント (0)

2019年5月23日 (木)

自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(2)日赤と皇室との関係も改めて考えたい

 昨日5月22日、明治神宮会館で開かれた全国赤十字大会に出席した皇后は「皇后雅子さま初の単独公務」などの見出しで報じられた。皇后は、日本赤十字社の名誉総裁に位置付けられている。日本赤十字社は、その前身「博愛社」を経て、発足したのが1887年なので、名誉総裁は皇后五代により引き継がれていることになる。さらに女性皇族たちが、役職に就き、今回の報道写真にも、何人かの女性皇族の姿が見られた。また、日赤の現在の赤十字社社長は、2005年から近衛忠煇(旧近衛公爵家出身、妻は三笠宮家長女)が就き、1996年からは宮内庁長官だった藤森昭一が務めていたことからも、皇室との関係は深められている。

20190522oyt1i500611

 その日赤から、まもなく、私たち自治会員宅に「赤十字活動資金(社資)へのご協力のお願い」という文書が回覧されるはずだ。前記事の社協会費の場合と同じように、当自治会の「補足説明文書」が回覧されるだろうか。この日赤の「社資への協力」も、私たちの自治会は、社協会費、赤い羽根共同募金と同様の扱いで、手渡し回覧袋での集金が行われ、自由意思が維持されている。

 千葉県、佐倉市において、大方の自治会は、強制徴収や自治会会計からの一括納入や自治会費への上乗せによる徴収が実施されている。県の日赤支部や佐倉市地区からの協力依頼の回覧文書のどこかには、必ず協力は「強制ではなく個人の自由意思による」と申し訳のように記されていて、一方では「年500円を目安として」「年に500円以上を目安にして」などとも書かれている。さらに、日本赤十字社のHPには、<よくあるご質問>として次のような質疑を掲載する。

会費の募集に、なぜ町内会の人などが来るのですか? 

赤十字の活動は、地域福祉やボランティア活動など地域に根ざした活動を行っており、また、災害が発生すると、自治体や地域住民の方々と協力して救護活動を展開するなど、赤十字の活動は地域と密接なかかわりを有しています。

こうした活動を支えていただくため、地域の皆さまには、会費へのご協力をお願いしているのですが、その際、赤十字ボランティアが直接お宅を訪問しお願いに伺うほか、それが困難な場合には、自治会・町内会の方々にご協力をお願いする場合があります。

  回答の前段は、建前で、本来、赤十字のボランティアがなすべきことを、自治会・町内会に丸投げをしていることを、自ら宣言し、それを自治体が公認しているのが実態である。その町内会や自治会が強制や自治会費への上乗せなどで徴収していることについては、当ブログでも何回も触れているように、最高裁の決定で違憲とされているにもかかわらず、町内会・自治会の総会決議などで、決定した方法ならば違法ではないという見解を表明していることへの異議申し立てには、どの政党も、どの自治体も、どのメディアも深くかかわろうとしない。「福祉」や「皇室」が絡んでいることをもって、いわばタブー視しているかのようである。

 この天皇代替わりの、異様なほど狂騒のなかでは、皇室情報は選別され、皇室批判が葬られていくことに気づく必要があるのだろう。

Img203
昨年、各戸に配布された「日本赤十字社千葉県支部」のチラシ。上段矢印の箇所には「一人ひとりの自由意思で・・・」、下段の箇所には「年500円以上を目安として…」の文言が見える。

Img204

日本赤十字社佐倉市支会のチラシ。矢印の箇所には「強制ではなく、個人の自由な意思、判断にもとづく・・・」、「年500円以上を目安として・・・」とあった。

 

| | コメント (1)

自治会と寄付・募金について、やはりおかしくないですか(1)社協会費の徴収、「自由」定着への歩み

 年度が替わって4月に入ると、私のブログの自治会と各種「募金」に絡む記事へのアクセスが激増?!する。新しく自治会役員になったり、班長になったりして、多分、募金徴収の仕事がわが身に降りかかってきて、疑問を持つ人が多くなるからではないかとも考えられる。私たちの自治会でも、かつては、役員や班長になって最初の仕事というのが、自治会費の徴収と5月の社協への募金500円の徴収であった。

当ブログでも、何回か触れている、自治会と寄付・募金の問題は、新聞紙上などでもよく記事にもなり、テレビのバラエティ番組の話題になることもあった。各地の自治会・町内会での強制的な寄付集めの実態やそうしたことへの疑問や改革の取り組みが紹介されることもあるのだが、全国的な動きには連動しないのが現実である。

私たちの自治会では、もう20年も前のことになるが、あることがきっかけになって、600世帯規模の10人の役員のうち6・7人が女性であった年が続いた。私もその中の一人だったのだが、社会福祉協議会が「会費」、日本赤十字社が「社資」と称して、500円を強制的に徴収するのっておかしくない?!という声が、役員からも班長からも飛び出した。私も、寄付集めを請負うのは自治会本来の仕事ではないという思いから、とりあえず、「強制」だけはやめて、社協の会員になる、日赤の社資に協力する、共同募金をするのは、あくまでも「自由」であるべきではないかと提案して、運営協議会と呼んでいる班長会の大多数の賛成で決定した。「強制」とならないためにと考えられたのは、B5の茶封筒の右肩の切れ目するから、会員・社資・寄付の希望者は、氏名を記入の上、500円を入れた小袋を、投入方法をとった。あとで、班長さんが、会員証や領収書を届けるという方式であった。封筒には、現金が入っているので、用心のため、郵便受けではなく、必ず手渡しで、ということにもなった。当初は「この町内は、なんと福祉に冷たいのか」などの声も聞かれたが、この20年間で定着した。ときには、社協や日赤の支部の人が、役員会に説得に来たこともあったという。年度初めには、市の自治人権課主催の自治会・町内会長を集めた地区代表者会議が開かれ、相変わらず、社協や日赤の支部スタッフによる協力要請の時間が設けられている。自治体が、こうした民間団体の寄付集めに全面的に協力していること自体も問題なのだが。

Img202_1

私たちの自治会の方式は、むしろまれで、ほとんどの自治会は、ほぼ強制的に一定額を徴収しているか、それが面倒ということで、自治会会計から、世帯分の会費や社資、募金額をまとめて拠出しているところもかなり多いというのが現況である。

 ところが、昨日回ってきた、その手渡しの集金袋には会長名で「社会福祉協議会(会費募集)に関する補足説明」、という回覧文書が付いてきた。そこには、以下の文章とともに、「社会福祉法第109条」にもとづく、地域福祉の推進役を担う民間法人であることが付記されていた。

Img201_1

 「まず、当自治会としましては、社協の会費募集に際し、お手伝いはしますが、自治会員に社協会費を強制するものではございません。あくまで、社協の活動趣旨にご賛同いただけた方のみ会費を納入頂き、当自治会はその際に回覧ネットワークを提供するのみとの姿勢です。くれぐれも誤解の無き様、よろしくお願いします」

  前述のように、私は、個人的には、本来、自治会が民間団体への寄付や民間団体の募金を請け負うべきではなく、協力する必要もないと思っているものの、現況にあっては、とりあえず、上記のように、「会費の強制」をきっぱり否定し、確認する文書を回覧に付したことは、至極まっとうなことだと思ったのだった。

 全国各地で悩まれている皆さん、自治会・町内会による社協の会費徴収について疑問を持ったり、戸惑いを感じたりしたときは、寄付や募金の基本に立ち返り、ぜひ「自由意思」によるべきとする改革を提案してみてはどうだろう。

| | コメント (1)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

24時間営業 CIA NHK TPP すてきなあなたへ アメリカ イギリス インターネット ウェブログ・ココログ関連 オランダ オリンピック オーストリア ジェンダー スイス ソ連邦・ロシア チェコ デンマーク ドイツ ニュース ノルウェー パソコン・インターネット フェルメール フランス ベルギー ボランティア ポーランド マイナンバー制度 マス・メディア マンション紛争 ミニコミ誌 ラジオ・テレビ放送 世論調査 住民自治会 佐倉市 医療 千葉市 千葉県 原子力 原発事故 古関裕而 台湾 台湾万葉集 吉野作造 喫茶店 図書館 国民投票法案 土地区画整理事業 地方自治 地震_ 大店法 天皇制 女性史 寄付・募金 年金制度 憲法 憲法9条 成田市 戦争 戦後短歌 教科書 教育 文化・芸術 旅行・地域 旅行・文化 日本の近現代史 日記・コラム・つぶやき 映画 映画・テレビ 書籍・雑誌 朗読 東京大空襲 東日本大震災 栄典制度 横浜 歌会始 池袋 沖縄 消費税 災害 災害_ 特定秘密保護法 環境問題_ 生協活動 短歌 社会福祉協議会 社会詠 福祉 租税 紙芝居 経済・政治・国際 美術 美術展 航空機騒音 薬品・薬局 表現の自由 裁判・司法制度 規制緩和 趣味 近代文学 道路行政 選挙 都市計画 集団的自衛権 韓国・朝鮮 音楽 高村光太郎